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しかしその躊躇は一瞬だった。
確かにリーダーの姿は無様だが、暴力的無法者集団にも看板というものがある。
いや、いっそ無法者集団であるからこそ看板が大事なのだ。
〈ブリガンティア〉がススキノの街で、他のプレイヤーから搾取をしながらも好き勝手出来ているのは、〈ブリガンティア〉が刃向かうものなき無法者集団であるという評判の効果が大きい。
どのような手段を使ってでも恐怖を維持しないと、自分たちが狩られる側に廻ってしまう。
普段狩っている側だからこそ感じる恐怖が、リーダーであるデミクァスを助けると云うよりも、この場の目撃者である4人の口を塞ぐという方向に意志決定するまでに掛かった時間は3秒ほど。
その決定さえ下されれば、無法者達は、口々に雄叫びを上げて、雪崩のように班長を飲み込みにかかる。
しかし、その3秒を私達は誰一人として無駄には使わなかった。
怒声を放ち駆け寄る8人の〈ブリガンティア〉の前に一陣の疾風となって直継が現われる。
視界外から突然の参戦に、〈ブリガンティア〉達は勢いを殺すどころか更なる悪意を持って殺到する。
直継「〈アンカー・ハウル〉っ!!」
直継の叫び。
それは範囲内の敵対存在全てを自分に引きつける、前線の城塞
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2018.02.08
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2018年1月30日 0時