Log876 シロエside ページ48
シロエ「これはリスクのある契約だ。
キミはこの契約によって何らかの変質を受け、いままでとはまったく違った存在になってしまうかも知れない。
〈冒険者〉はこの世界ではまだ新顔で、今後どのような騒動に巻き込まれるかも判らない。
おそらく君が思っているほどの栄誉は、〈冒険者〉にはない。」
ルンデルハウス「僕がなりたいのは……。」
ステータスに【死亡】のフラグを明滅させたまま、見るみるうちに失われてゆくHPを一別もせずにルンデルハウスは言葉を返す。
ルンデルハウス「冒険者で、〈冒険者〉じゃない。
困ってる人を助けられれば、細かい事は気にしないんだ。
……僕は、冒険者だっ。」
シロエ「では。」
指しだしたペンを震える手で掴んだルンデルハウスは、そのペンを取り落としてしまう。
〈黄泉返りの冥香〉の効力は切れかけている。
おそらくいまのルンデルハウスは、
五十鈴「ルディ……。
大丈夫。」
その手を五十鈴が支える。
五十鈴「ルディと一緒に、わたしも書くから。」
後ろから抱きかかえるようにルンデルハウスを支えた五十鈴が、それを手伝うトウヤが。
回復呪文を詠唱し続けるミノリとセララとAが、ルンデルハウスの署名を見守る。
震える指先は仲間の励ましで温められ、魔法のインクはルンデルハウスの署名となった。
燃え上がった署名の輝きは黄金色の燐光となり、僕の技は、この異世界に承認されて新しいルールとなる。
シロエ「一度死ぬんだ。
ルンデルハウス。
……君は大神殿で復活する。」
どこかで何か大きなルールが動いた手応えを感じながら、僕は語りかける。
拡散する
後に“東の
★☆★
2019/12/30
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月8日 23時