Log785 レイネシアside ページ45
〈冒険者〉を危難に晒すときは、同じだけの危難を自らも負う。
そうして積み上げていくことくらいしか、私には思いつかない。
それにしたって……。
自分も戦場に行く、とは思いきった言葉だ。
頭がどうかしていたのではないだろうか?
もしかしてこの奇妙な……脚の露出が多い衣装のせいなのだろうか?
私はしゃがみこみたくなるが、長年の教育のせいか衆人環境の中では背筋を伸ばして淑やかに立ち続けなければならないという常識が染みこみすぎ、脱力することさえかなわない。
にやにやと笑うあのシロエとか言う青年の口車に乗せられてこのざまだ。
余りの悪辣に涙がじんわりにじみそうになる。
クラスティ「勢いに乗せられてとんでもないことを云ってしまって後悔してるけれど、撤回しようにも出来ないで身もだえしているような顔をしてますね。」
A『また始まった…。』
レイネシア「ひっ。」
いつの間に背後に近づいたのだろうか。
海風を遮るように立つクラスティ様の言葉に、電流を流されたように飛び上がってしまう。
レイネシア「ふふふっ。
ククラスティ様。
そんな事は、無いですわ?」
クラスティ「引きつり気味です。」
言葉の接ぎ穂を簡単にへし折られた私は【愁いに満ちた】表情を、波間に向ける。
☆★☆
2019/12/18
Log786 レイネシアside→←Log784 レイネシアside
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月4日 20時