Log774 レイネシアside ページ34
シロエ「そして参謀は僕、シロエが務めます。
まずは、先行打撃大隊を編制します。
現在より15分以内に念話により連絡を行ないます。
連絡のあったメンバーは、急ぎアキバの街よりアキバ川をくだり、実験ドックへと移動してください。
途中で〈オキュペテー〉が合流、拾い上げます。
15分が経過しても連絡がないメンバーは、主力本隊となります。
こちらは市街東門に設置された登録所で、クエスト書類を受け入り、念話登録を受けたのち、指示に従い出発してください。
道中にパーティーマッチングを行ない、小隊編制を指示します。
遠征準備時間は15分。
各人ご協力をお願いします。」
A『私は状況により補佐をします。』
「うぉぉお!
レイネシア「あ、あ……。」
言葉を失う私の前で、千を越す軍勢が鬨の声を揚げた。
クラスティ「顔が崩れてますよ。」
レイネシア「なっ。
何を仰るんですか。
そのようなことを仰るなんて、貴公子として……貴公子としてっ……。」
言葉に詰まる私の声が震える。
A『くすくす。』
でも、それは広場を満たす鎧の音と喧噪に包まれて聞くべきでない人の耳には届かなかったのだ。
――クラスティ様とA様以外の耳には。
貴族然とした優雅さで片腕をさしだすクラスティ様。
彼と私は、猜疑心に満ちた、意地っ張りな、それでいて理解し合った視線を交わしあうが、傍目には麗しい微笑を浮かべる美しい一対に映った。
なんにせよ、進軍は決まった。
敵はザントリーフ半島から廃都をうかがう〈
こうしてアキバの街初めての遠征軍は、その剣先をザントリーフ半島へと向けたのだった。
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2019/12/16
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月4日 20時