Log773 レイネシアside ページ33
私がほとんど呟くように言い終えるのと同時に聞こえたのは、重い鋼鉄の響きだった。
広場の中央を占める、紺色の外套に巴の紋章を染め抜いた一団が、思い思いの武器をならし、かかとを打ち付ける。
黒い鎧の一団は、揃いの長剣を鞘に落とし込み、戦意を主張する。
廃ビルの崩れかけたテラスからは、長弓を背負ったエルフの一団が高らかに角笛を吹き鳴らし、斧を持ったドワーフたちが鬨の声を揚げる。
猫人族、狼牙族、狐尾族達といった少数種族すらも、この町ではこれといった差別を受けていないように見える。
あ……。
あっけにとられる私の隣に、クラスティ様が進み出る。
一歩遅れて反対側に進み出でたのは、シロエ様とA様だった。
クラスティ「これより、この街は。
――我々の初めての遠征へと出陣するッ。
出征条件は、レベル40以上っ。
これは〈
姫が言った通り、このクエストの報酬はただ一点。
ここに立つ一人の〈大地人〉からの敬意であるっ。
我こそはと思う者は、馬に乗り一路マイハマへと出発せよっ!!
今回は危急の事情を考え合わせて電撃戦とする。
そのため、編成については行軍中の指示となる。各自の自制と協力をお願いしたい。
遠征総指揮はこのクラスティが執る。」
★☆★
2019/12/16
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月4日 20時