Log763 レイネシアside ページ23
や、やっぱり。脚が全部見えますっ……。
それに、この胸鎧、胸の形にリアルすぎるというか、こうっ。
偽増量というか……っ。
目を白黒している私の腰に剣帯を吊したアカツキさんは、あちこちのベルトをキリキリと締め付ける。
その締め付けによって、全ての装甲はぴったりと肌に密着して、さらにその重さを感じさせなくなる。
軽さといい、着心地といい、さぞかし名前のある魔法のアイテムなのだろうと私は感心する。
――のだが、身体のラインも露わになってしまうのは、これはもう目も当てられない惨状だ。
自分のスタイルがさほど悪いわけでもないと思うが、この衣装は余りにあんまり――露骨過ぎはしないか?
と私はうめく。
レイネシア「その……アカツキさん?
これはさすがにちょっと……。」
アカツキ「背丈があるんだから我慢して。」
じろりと睨まれて黙り込んでしまう私。
A『アカツキ…言い方…。』
アカツキ「!
すまない。」
私の髪は、A様が自分の懐から出した櫛で、綺麗にとかしてゆく。
その動作は流れるようで、侍女の誰よりも丁寧だと思うのだが、私の緊張はまったく解ける気配がない。
この小柄な少女は、無口のせいか、先ほどからやたらに迫力があるのだ。
★☆★
2019/12/15
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月4日 20時