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それぞれに居城や館を持ち、王冠やマントあるいはティアラにドレスを着けた、典型的な貴族のイメージで、〈大地人〉達を支配しているのだ。
そして〈自由都市同盟イースタル〉の領主達は、年に1回から2回、この「エターナルアイスの古宮廷」に集まり、様々な政治上の会議を行う。
また、旧交を温め、貴族として息子や娘をお披露目したり、馬上試合を行なったり、縁戚関係を結ぶこともある。
見ようによっては優雅だが、その一方で、モンスターの脅威にさらされた〈自由都市同盟イースタル〉が必死に助け合う姿がそこにあるのも事実であった。
旧世界における東京の南部――浜離宮の位置に建てられた、魔法の氷によって支えられた宮廷は、そのような訳で、〈大地人〉貴族の、社交と協議の場所として利用されているのだ。
その【エターナルアイスの古宮廷】の大広間に私達は所在なげにたたずんでいる。
ミチタカ「ふん。
なかなかに壮観だな。
これは緊張だ。」
そう声を上げたのは、生産ギルド〈
その言葉は本音なのだろう。
彼は宮廷の設備や装飾を、じろじろと無遠慮に眺めている。
クラスティ「周りが全部モンスターだと思えば落ち着くさ。」
そう答えたのは戦闘ギルド〈D.D.D〉を率いる〈狂戦士〉クラスティだ。
その二つ名のイメージから反して、白皙の思慮深い美青年という面持ちで、今日も見事にタキシードを着こなしている。
ミチタカ「そいつぁ、お前さんだけだ。」
ミチタカさんはからからと笑って応える。
こちらもタキシードを着ていて、その迫力はクラスティに勝るとも劣らない。
元々タキシードは西洋の礼服である。
線が細いよりは、多少骨太の体型の方が似合う。
戦士職の2人にはうってつけの晴れ着でもあった。
かたやアキバの街最大の生産系ギルドの長。
かたや最大規模の戦闘系ギルド〈D.D.D〉の代表であるばかりではなく、アキバの街の自治組織〈
今回の参加の目的を考えても、迫力があるに越したことはない。
★☆★
2019/11/15
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年11月9日 23時