Log492 トウヤside ページ46
20レベルから35レベルの冒険者は、パーティーを組んでの戦闘訓練だ。
これには屋外と屋内での戦闘がある。屋外戦闘は付近にある【カミナス用水】というところで訓練を行なうらしい。
一方屋内訓練は、先ほど俺が聞いた【ラグランダの社】と云うダンジョンで行なうとのことだ。
こちらは半島の山間部方向へここから半日ほど移動した場所にある。
泊まり込みでの攻略となり、ある意味もっともハードな訓練だ。
レベルが36以上のプレイヤーは数が少ないために、特訓だ。
この校舎を中心に、高レベルプレイヤーから戦闘のコツなどの指導を受ける。
この合宿では、それぞれのプレイヤーが40レベルを目指すと云うことにされていた。
俺の戦闘レベルは29。
〈ハーメルン〉で狩猟パーティーの前衛を務めさせられていたから、そこそこの実力を身につけつつある。
班長の話によれば【ラグランダの社】という地下遺跡は、出現する敵のレベルには幅があるようだ。
20レベルから35レベルの冒険者が挑戦するダンジョンにおいて、俺の戦闘レベル29はまさに中心。
タフでハードな戦闘が待ち構えているだろう。
それを想像すると、俺の心の中にはふつふつと闘志がわいてくる。
一方、姉のミノリの冒険者レベルは21だった。
サブ職業である〈裁縫師〉は32と俺を圧倒的に引き離しているが、それは戦闘では役に立たない。
ミノリはレベル的には相当苦戦を強いられるに違いない。
自分が守ってやらなければ、と俺は考える。
にゃん太「まぁ、その辺は直前にでも説明するですにゃ。
レベル29と21ならば、別にそこまでバランスは悪くないですにゃ。
その差は2人の双子らしい連携で埋めていけばよいことですにゃー。」
班長は、塩アジにカボスを絞ると、美味しそうにほおばる。
今日はもう料理から解放されたのか、壺に入った日本酒をお椀に注ぐとさも満足そうに飲み干すのだった。
トウヤ「そっか、ダンジョンかぁ……。
燃えてくるなっ。」
俺は心の底からわくわくする気持ちが沸き上がってくるのを止められない。
〈ハーメルン〉にとらわれていた当時、街の外へ出掛け狩猟を行なっていたとは言え、往復の距離と実力のバランスからダンジョンに入ったことはなかったのだ。
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2019/11/20
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年11月9日 23時