Log461 マリエールside ページ48
しかしその注意も殆ど本気と云うことはなく、つっこみというレベルのものだった。
町はザントリーフ大河の河口付近にあった。
水害を警戒したのか、川の畔からは少し離れて立ててある。
この辺りの土地は平坦で、穏やかにうねる大地のあちこちがタイルのように四角く区切られ、あちらは畑、こちらは田んぼ、そちらは果樹園と利用されている。
だんだんとそのモザイクが細かくなってきたと思ったら、農具をしまう小屋や倉庫などが現われ、いつの間にか町の内部に入っていたという印象だった。
中世の騎士道物語にあるような、柵や壁で囲われた武装町村のイメージはない。
町の中央通りは用水路と並行して走る太いアスファルトの道で、おそらく旧世界の国道がモチーフなのだろう。
その道をはさむように石造りや木造の家が沢山並んでいる。
アキバの街のように旧世紀のビル廃墟を利用した建築物は少なく、見渡す限り、河の方にある巨大な倉庫群だけのようだ。
通りには、看板を出した店が五つ六つは見ることが出来た。
私がシロ坊に聞いた話によれば、ススキノへの旅の最中に見た村の景色の中に【商店】は含まれていないと云う話だった。
★☆★
2019/11/15
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年11月9日 1時