Log448 ミノリside ページ35
旧世紀には抑圧されていた反動が出たのだろうか。
モデルになっているのが日本だとは言え、この世界の植物の繁殖力は旺盛で瑞々しい。
あちこちからアスファルトが覗くところを見ると、この林道だって元は舗装されていたのだろうが、それが土と腐葉土、そして両脇から押し寄せる緑の圧力で、すっぽり樹木のトンネルのようになってしまっている。
それだけに、その緑が途切れた景観は素晴。
ミノリ「うわぁぁ。」
私は我知らず歓声を上げる。
それは周囲にいた30人ほどの仲間達も同様のようだった。
トウヤ「ひゃっはー!
すっげー!
すげすげすっげー!!」
弟のトウヤはいち早く先頭に出ると、馬を並足から駆け足にして坂を下りて行く。
潮気を含んだ強い風が、その同じ坂道を駆け上がり私達に吹き付けてきた。
緑の濃い坂道は、今越えてきた峠から海岸線へと向かっていた。視界を太く横切る河の名前は何というのだろうか?
その向こうの海岸を望む丘には、旧世紀の巨大な残骸なのか、それとも未だに稼働しているのかは判らないが、高さ十数メートルほどの風車がいくつも並んでいる。
★☆★
2019/11/14
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年11月9日 1時