28話 Byくろーさぎ ページ29
吉良Side
皆が次々と自己紹介を終わらせていく中で、俺は
“その時”が来るまで待った。
「ねぇ、君は名乗らなくて良いの?」
水色の髪の女の子――あげはちゃんに言われた。可愛いな、なんて思いながら「俺は最後で良いよ」と返す。
やがて全員の自己紹介が終わり、俺の番が回って来た。
「ふふーん……最後は俺かな?」
俺は自慢げに辺りを見回し、期待に満ちた視線を堪能しながら口を開く。
「俺の名前は吉良 光。もしかして、聞いた事がある奴もいるんじゃないかな? 俺って、ちょっとした有名人なんだよねー」
「……有名人? ……あ、もしかして!」
里奈ちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねるように俺に近づいた。
「スタイリストの光くんじゃない!? あたしと同じファッション業界の凄腕高校生って聞いて、前から気になってたんだよね!」
「おっ、俺の事を知ってくれてるのか! さすが里奈ちゃんだな! 皆も知ってるかな? 俺は超高校級の……いや、天才スタイリストの吉良って呼ばれてるんだ!」
「えー、自意識過剰じゃない?」という声に、俺は思わず黒乃を睨みそうになって、慌てて笑みを浮かべた。男の奴らにはどう思われようとも構わないが、可愛い女の子には良い顔をしていたい。キラキラした女の子達がこんなにたくさんいるんだから。
「自信過剰なんじゃないよ。ただ俺が一般人よりキラキラしてるってだけでさ」
「キラキラ? 何なの、それ?」
「うーん……分かりやすく言うと、その子の持ってるオーラとか、輝きみたいなもんかな? それを持ってる子ってのは、必然的に可愛いんだぜ。例えば……」
俺がいつもの調子で語り始めようとした時、突然体育館の明かりがふっと消えた。
「……え……?」
「きゃっ!!」
「な、何だ……!?」
皆が口々に慌て始める中、ステージ上に何者かが現れた。
「あー、あー。マイクのテスト中、マイクのテスト中」
特徴的なおどけた声。白と黒の真ん丸なボディ。パンダでも、バクでもない、けれど熊というにはあまりにも不気味な生物が、ステージ上に立っていた。
「やぁやぁ、才囚学園の記念すべき最初の入学生の皆さん! ボクは学園長のモノクマだよ!」
「モノクマ……?」
「そう! 超絶キュートで可愛いプリティークマさん、モノクマ先生でーす! 皆よろしく!」
わけが分からない。恐らく、全員の頭の中に浮かんだのはそれだった。そんな中、灰田が代表して口を開く。
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riiu(プロフ) - 更新しました! (2020年2月16日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 了解です!では探索の方いきますね!更新します! (2020年2月16日 13時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 春雨さん» すみません!!どうしたら良いのかと思っていたのですが……話を進められそうなら進めて構いません!グループを組む場面でも大丈夫です! (2020年2月16日 13時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - riiuさん» 主催者でない私が意見するのもどうかとも思ったのですが、私はグループ組んだ後の話を進めてもいいと思いますよ。確かに話が大幅に進んでしまうと不味いかもしれませんが、現段階ではそこまで大幅に話が飛んだりはしないと思いますし。 (2020年2月16日 13時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - えーっと…更新したいのですが、まだ話の中でグループが組めてない子達がいるので、そちらを先にやった方がいいでしょうか…? (2020年2月16日 12時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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