My special hero ページ41
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小さな小さな背中。細い腕。
さっきまで戦っていた、血が滲むその体。
『…なんで、』
「………Aちゃん、」
なんで何も言ってくれなかったんだ。
なんでそんな体でずっと戦って、
どうして、少しぐらい言ってくれなかったんだ。
「……君が憧れる“オールマイト“を壊したくなかったんだ。“平和の象徴“はいつだって、」
『…知ってるよ、何年見てきたと思ってるの！？それでだから何？本人が壊れたら意味ないでしょ！』
視界がどんどんぼやけていって、だけどオールマイトの申し訳なさそうな顔は認識できて。
違う、違うそうじゃないの。
私がまだ子供だから、いつまで経っても成長しないから。
自己中でわがままだから、だからこんな言葉に耳を貸さないで。
気持ちがぐちゃぐちゃで、さっきだって言いたいことがわからないままここに来た。
どうして私ここにいるんだろう、もう訳がわからない。
「…ごめんね、Aちゃん」
違う、謝って欲しいわけじゃないんだよ。
『……なんで、どうしてこんなに頑張っちゃうの』
「…余計なお世話が好きだからさ」
『バカ、バカじゃないのほんとに…ッ』
こんなになってるなんて知らなかった。気づけなかった。
以前よりヒーロー活動が少なくなったのも、家に遊びにくるのが少なかったのも、私の前に現れるのが少なくなったのも、全部全部私たちの夢を守るため。
勝手に形づけた、“平和の象徴・オールマイト“を守るため。
どうして、どうしてずっと憧れてきて気づけなかった？
なんで？私は彼のために何かできたかもしれない、でも知っていたとして何かできたの？
『……ねえ、生きてるよね、』
「…ああ」
『ほんとに？隠してないよね、もしかしたらしんじゃうって、』
「大丈夫さ。大丈夫、大丈夫」
きっと心配だった。心配でたまらなくて、自分に頼ってくれなかったことがどこか寂しくて、だけど頼られても彼の力にはなれなかっただろうから悲しくて、辛くて悔しくて。
オールマイトが、ヒーローとしても1人の人間としても、大好きだから。
『……よかった、ほんとに生きててよかった、』
「…ごめんね」
『ほんとに、ほんとに…ッ、』
少女にとって、永遠に特別なヒーロー。
彼は、そんな彼女の頭を、彼女が泣き止むまで撫でていた。
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なんなん(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます＞＜！！！ (2021年9月12日 22時) (
レス) id: dff1beac48 (このIDを非表示/違反報告)
野菜 - 主人公の段々強くなって行く姿が良い！！ (2021年9月12日 17時) (レス) id: 0ac70a73d6 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！！励みになります◎ (2021年9月9日 23時) (レス) id: 03513d5678 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 1、2、3と読ませて頂きました！お話がいい感じに原作に沿っていてめちゃくちゃ好きです…！！お話の更新毎回楽しみにしてます！ (2021年9月9日 16時) (レス) id: 113c0ba69b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんなん | 作成日時：2021年9月9日 16時
