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「その子がさ、ヒーロー…いや、個性ありきの超人社会そのものを嫌ってて…僕は何もその子のためになるようなことを言えなくてさ。オールマイトなら、なんて返したんだろうって思って。
2人なら、何ていう？」
「…場合による」
「そりゃ場合によるけど…！」
「素性もわからん通りすがりに正論叩かれても煩わしいだけだろ」
大事なのは、“何をした何をしてる人間に言われるか“。
「言葉単体だけで動くようなら、それだけの重さだったってだけで、言葉には常に行動が伴う…と思う」
「…そうだね、轟君のいう通り」
考えて、過去いくつかの例を思い出して。そうだな、と納得する。
今まで勇気づけられてきた言葉は全てそれを行動で示している人の言葉で。だから心を突き動かされたんだ。
「通りすがりが何言ってんだって感じだ」
「お前がそいつをどうしてえのか知らねえけど。デリケートにあんまズケズケ首突っ込むのもアレだぞ。そういうの気にせずぶっ壊してくるからな、お前意外と」
「なんか、すいません……」
「君たち、手が止まってるぞ！！最高の肉じゃがを作るんだ！！！」
そんな飯田の声に2人はそれぞれのところに鍋を置きにいって。
緑谷も作業に戻った時、彼の元にAが戻ってきた。
『…私さ』
「うん？」
『さっきのこと。洸太君になんていうかってやつ…そういうの私もいっつもわかんなくて』
悲しんでる人とか何か抱えてる人になんて言えばいいかいっつもわかんない。
“大丈夫だよ“とかいうありきたりの言葉しかかけてあげられなくて。
『だけどさ、ヒーローっていつも勇気づけてくれる言葉をくれるじゃん。朝の相澤先生とか、オールマイトとか』
「そうだね。思ってみればずっともらってるかもしれない…」
『そうなの。だけど私はそういうの得意じゃなくて、でも緑谷のズバズバ言うの別に嫌いじゃなくて…だから、その…そういうの上手くなれたらいいねっていうのを何となく言いたくて！いやなんかごめんね』
そう言って走り去っていくAの後ろ姿を見送った。
まだ良くも悪くも“ヒーローの卵“。決してヒーローではなくて、まだまだ足りないこともたくさんある。
“緑谷のズバズバ言うの嫌いじゃない“という言葉に、彼はどこか口元を綻ばせて作業に戻ったのだった。
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なんなん(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます＞＜！！！ (2021年9月12日 22時) (
レス) id: dff1beac48 (このIDを非表示/違反報告)
野菜 - 主人公の段々強くなって行く姿が良い！！ (2021年9月12日 17時) (レス) id: 0ac70a73d6 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！！励みになります◎ (2021年9月9日 23時) (レス) id: 03513d5678 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 1、2、3と読ませて頂きました！お話がいい感じに原作に沿っていてめちゃくちゃ好きです…！！お話の更新毎回楽しみにしてます！ (2021年9月9日 16時) (レス) id: 113c0ba69b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんなん | 作成日時：2021年9月9日 16時
