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「____ホレ、着いたぜ」
「ん。ありがとう」
屯所は割と近かった。
「じゃ、俺ァこれで〜」
「気を付けてね〜」
「おーう」
銀さんはヒラヒラと手を振りながら去って行った。
…片手運転は危険だよ。
「…さてと」
ふぅ、と一つため息を吐いて屯所に入る。
「苗字…!」
すると廊下から慌ただしくトシがやって来た。
あの時お団子置いてきちゃったのがなー…面倒くさいよぅ。
「お、おかえり。え、えっと、…ど、どこ行ってたんだ!?」
おかえり!?普段私にそんな事言わないのに!どんだけ動揺してるのこの人!
「えっと、散歩に…」
「そ、そうか…」
私達の間に沈黙が広がる。
トシはどこか居心地が悪そうだ。
眉間に皺寄ってる。
「その…あの団子は、何だったんだ?」
やっぱりそう来たか。でもごめんなさいね。嘘を吐かせていただきますっ!
「私が伺おうとした時、土方副長のやけに真剣そうな声が聞こえたので、会議中だと思い戻ったのですが…その時にお団子を襖の前に置きっ放しにしてしまって…」
「か、会話は…聞いてたのか?」
「いいえ。途切れ途切れに聞こえただけなので、安心して下さい」
私がそう言えば露骨にホッとした表情になるトシ。
クールに見えてこう言う時は表情に出やすいよね。
「ご心配ありがとうございました。では、私はこれで」
ニコリと笑いトシの横を通り過ぎる。
廊下を歩いていれば、隊士達の視線が痛い程に刺さる。
「…はぁ」
小さくため息が漏れた。
全く…そんなに見ないでよね…疲れる。
「…あ、総悟」
前方に縁側でアイマスクを着け寝ている総悟を発見し、ついいつもの呼び方になってしまった。
まぁ小さい声だし、遠いし。聞かれてないでしょ。
「土方の死体が5024体土方の死体が5025体」
…どうやらまだ寝てる訳では無いみたい。
てか5000体越えってどれだけ数えてたの。トシの死体。
「土方の死体が…5026……」
近くに寄り総悟を眺めていれば、段々その物騒な"羊数え"ならぬ"土方の死体数え"が聞こえなくなってきた。
「くかー…」
耳を澄ませれば小さな寝息が聞こえた。
「…なんでアイマスク着けるようになったんだろう…」
小声でそう呟き、可愛らしい(個人的に)目が描かれたアイマスクを見つめる。
「大人に、なったなぁ…」
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麒麟(プロフ) - ネタが多くて面白いです (2016年12月25日 13時) (レス) id: b0311b2dea (このIDを非表示/違反報告)
ことりのおやつ(プロフ) - 亜梨朱さん» はいっ!!(`・ω・´)キリッ (2015年8月30日 23時) (レス) id: 31c11abceb (このIDを非表示/違反報告)
亜梨朱(プロフ) - 頑張ってください!! (2015年8月30日 23時) (レス) id: e7a369f580 (このIDを非表示/違反報告)
ことりのおやつ(プロフ) - 亜梨朱さん» ありがとうございます!!合作も見て下さったんですね!ありがとうございます!!頑張ります!ヾ(*´∀`*)ノ (2015年8月30日 23時) (レス) id: 31c11abceb (このIDを非表示/違反報告)
亜梨朱(プロフ) - めっちゃ面白いです!二つの血を引いた姉も見ました!更新ファイトです(o^∀^o) (2015年8月30日 23時) (レス) id: e7a369f580 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことりのおやつ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Sougo09201/
作成日時:2015年6月27日 21時