【爽快に】 青春を送ってみた

【番外編2】 ページ34

…




｢よし、ばっちり！｣




全身が映る鏡の前に立って、最終確認。
お母さんに着付けをしてもらった浴衣。
紺色ベースにパステルカラーのヨーヨーがプリントされたものに淡い黄色の帯。
去年見つけて一目惚れしたんだ。




｢変なとこないよね？｣

｢大丈夫大丈夫。お母さんが着付けしたんだから間違いないわよ。｣




髪の毛もアレンジしてもらった。
普段は普通の一つ縛りだけど、両サイドを編み込んでギブソンタックっぽくした。
めったにこんな髪型しないから、気分も上がる。




｢じゃ！いってきまんもす！｣

｢行ってらっしゃい！｣




スマホとか財布とか色々確認して家を出た。
菜々と待ち合わせをしている駅前に行く。




…




｢あ、菜々〜、浴衣可愛い！｣

｢でしょ〜。Aも似合ってるよ。｣




スマホを取り出して菜々を連写をもってする。
ちゃんとポーズをとって表情も作ってくれるあたりさすが菜々。




｢さて、早速屋台行こうか。｣

｢そうだね〜。
あ、見てあの浴衣男子めっちゃかっこいい。｣

｢ん？あぁ…そういえば浴衣好きって言ってたよね。｣

｢眼福だよ眼福！あそこのお姉さんも美しい〜！！！｣




少し歩き始めたところに、祭りに来た人達がたくさんいた。
それはそれは浴衣を着た人が大勢いましてね。
屋台そっちのけで人の方に目がいってしまう。


…む、あそこに後ろ姿めっちゃイケメン系浴衣男子がいる。




｢りんご飴あるよ、食べる？｣

｢あ！食べる！｣




イケメン浴衣男子(仮)から目を離してりんご飴の屋台に駆け寄る。




｢じゃあAがりんご飴買ってるあいだ、私そこの焼きそば買うね。買ったらそっち行くから。｣

｢了解〜。｣




そんなに距離も離れてないし大丈夫でしょ。
菜々と一旦離れてりんご飴を買う。

こっち来るって言ってたよね…。
ここら辺立ってれば平気かな？


木に寄りかかってりんご飴をかじった。




｢ねぇ、お姉さんひとり？｣




…

【番外編3】→←【番外編1】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す