卒業と共に君と涙する。 (ページ23)

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また沈黙が続いた中、加島くんが私の名前を呼ぶ。

「ごめんね、急に…返事は良いからただ…伝えたかっただけだから…」

涙が出そうになるのを堪えながらそう言って、屋上を後にしようとした。
あぁ、どうしよう…涙が出そう……

そう思っていると、後ろから温もりを感じた。
その瞬間、何かがプツンと切れたように、涙が一粒一粒零れてくる。

「……加島くん？」

「俺も好きなんだ…」

加島くんからの告白の返事に、『えっ…』と驚きの声を漏らす。

「俺さ、入学したときから好きだったんだよ……」

耳元でボソッと言う加島くん。お蔭で耳がくすぐったかった。

「じゃあ……」

私が彼の方を向くと、加島くんは涙を流しながら、『両想いだ！』と言う。

「晴樹くん…」

私が突然名字呼びから名前呼びにすると、彼はびっくりしていた。

「A……」

それに釣られて、晴樹くんも私の名前を呼ぶ。

「これからも大切にするね……」

「それは俺の台詞だよ……」

そう言われると、私の唇と晴樹くんの唇が重なった。
その二人の瞳には、涙が静かに流れていた。＿＿＿＿＿

…End…
　