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【卒業生の入場です。大きな拍手で迎えてください】
体育館の廊下にも響き渡るアナウンス。それと共に、卒業生がそれぞれ入場していく。
体育館に入れば、昨日まで殺風景だったはずが、今では桜の造花などが飾ってあった。
卒業生が入場し終わると、来賓客や校長先生の話があった。これらは正直真剣には聞けなかった
卒業生代表の挨拶で、元生徒会長の加島くんの話は真剣に聞けた。
「僕たちはこの3年間素晴らしい日々を過ごせたと思います。＿＿＿」
いつもとは違う加島くんは輝いて見えた。
卒業証書を貰ったり、卒業生の歌を歌ったりして、あっという間に最後の舞台が幕を閉じようとしていた。
【卒業生、退場】
アナウンスが鳴ると、周りが拍手をし始めた。
退場するときに先生が泣いていたり、在校生が泣いている姿が見えた。
私はそれを見て、泣きそうになったけど必死に堪えて最後まで泣かずに退場を終えた。
「皆さん、卒業生おめでとう。皆さんとはあっという間でした。本当にありがとうございました」
先生が涙声になりながら、最後のホームルームを始めた。
「先生ほんとーにありがとー！」
「先生大好きだよ〜！」
あちこちから、先生への感謝の言葉が出てくる。そのたびに先生が嬉し泣きをしていた。
「それでは、皆さん高校へ行っても頑張ってください。また会いましょうね！」
そう言うと、最後のホームルームが終わった。
ホームルームが終わっても、みんなは教室から出ようとしなかった。スマホで写真を撮る人もいれば、喋っている人もいた。
もちろん、私もその一人。
「はい、チーズ！」
夏帆ちゃんと一緒に写真を撮っていく。
「これで最後だね……」
「もう泣きそうにならないの！高校違ってもまた遊ぼうね……！」
「うん！」
そう言ってる夏帆ちゃんだって涙が目に溜まっていた。
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作者名：咲乃ほしは | 作成日時：2020年3月6日 15時
