立派になるために (ページ48)

今日:6 hit、昨日:44 hit、合計:4,933 hit

素晴らしい光景と珈琲ページ48

僕らは星付きの情報を教えてもらい、そのままお披露目の間にいく。合格者のジョン、カトレアおめでとう。
そんな声とともに拍手が聞こえてくる。

「これはなんだい？」
「顔つき、つまり成人として認められたら振る舞われる飲み物よ」
そう言われてその飲み物をのむ。真っ黒で苦い珈琲のような飲み物だ。

「苦っ……くなんてないよ！も、もちろん美味しいねこの飲み物は」
「苦い！」

ジョン様とカトレア様はこの飲み物がどうやら苦手な様子だ。苦いけど風味豊かで美味しいのに。

「慣れればこの風味と酸味のバランスが病みつきになるわ飲めば不安もなくなる」
すると、急に声をかけられる。

「カトレアとジョンおめでとう。この班の班長のウィリアムだ。よろしくな」
そう言われてカトレア様とジョン様が交流を始めた。僕は顔としての役目を果たす。

結構な時間が経った頃

お披露目が終わったのかバーバラ様が話始める。
「本日の成人した五対はこちらへ、新たなる成人子供たちの棟の新たな仲間に拍手を！」
その声とともに拍手があがる。

「今回は六対中五対と優秀な結果です。そしてたった一対落ちた無能は処分！」

そう言ってシャーリー様の置物が床に叩きつけられる。
周りから嘲笑うかのような声が聞こえてきた。

仕方の無いことであり、この光景は素晴らしいものだ。
カトレア様がこちらを見てくるが、僕は毅然として笑みを崩さずに堂々とした顔でいた。

「皆さんそろそろ外へ出ましょう。謁見の時間です！」
スザンナ様がそういうと皆外へ出始める。

「さあ！その目に焼き付けなさい。この世で最も高貴なお姿を」

バーバラ様その言葉とともにぼくらは窓を見る。
すると、シャドー家を統率するシャドーハウスの王僕達生き人形の生みの親偉大なる創造主様が手を振ってくださった。

なんて素晴らしい光景なんだろうと思わず涙がこぼれる。
この景色を見ることを許してもらえるなんて僕は幸せ者だ。
「偉大なるおじい様が手を振ってくださった！」
「なんと光栄なことだろう！」

姿を現してくださるなんてどんなに慈悲深いお方なのだろうか。皆歓声を上げて喜ぶ。

この瞬間を目に焼き付けなければならない。
歓喜の涙を流していても瞬きをせずに見つめ続けた。