ジョン様と亡霊もどき ページ40
「何も起こりません！」
僕も鉄格子を揺すったりしてみるが開きそうにない。
「こっちもダメだったよ！ あかないみたい」
一応報告しておく。
「確かお影様と一緒だったとしても二人 三人掛けの意味は無いな」
「ごっ、ごめ」
「大丈夫だよラム！」
「三人掛けはショーンが言い出したんですよ」
「えっと……庭園ではこういうベンチをシートっていうんだここぞという景色を見せたい時にあって……」
ショーンが説明をしてくれる。わかりやすい説明だ。
「確かにいい景色です！ あれなんて手前の木と奥の木が重なってうさぎみたいです！」
閃いた僕たちはうさぎの銅像をうごかす。
鉄格子が開いた。ついにお影様の場所まで来れた。
しかし辺りにはすすと木くずしかなかった。
「足跡があります！」
「見るからに男の人の靴の跡だね。カトレア様ではないけど……」
「ジョン様だ……！」
「足跡を追いましょう」
「視界が悪いな足跡も消えてしまった」
「元気に歩き回っているかもしれません！」
「そうそう！ 足跡がある時点でわりと元気に動けているんだとおもうよ。怪我はしてないと思う！」
「そうだな。ジョン様自由なところがあるからな」
ショーンが元気を取り戻してくれたようだ
「わー！ 亡霊です！」
急に大声を出すから驚いてしまった。
「ええっ？！」
戦わなくちゃと思い、バケツで殴る準備をするとショーンが教えてくれる。
「びっくりさせるなよ。これはフォリーだ。庭園にはこういう無意味なものを置いたりするんだ」
「やっぱりショーンって物知りだよね。なんでも知っていそう！」
よくこんなこと知ってるなと感心していた。
「大きいですね 登れますよ！」
遊んでていいぞとショーンが言ってくれた。
「僕も手伝うよ！」
ショーンと一緒に作戦を練る。 正直僕の出番はなさそうだけど……
「ジョン様が散歩してるなら一人ずつ別れていけばいいな おーいそろそろ行くぞ！」
「しかし俺の出発点からジョン様の場所近かったんだな 謎解きに気を取られた」
「ショーンそういう所あるよな」
上から声が聞こえてきた。この声は……ジョン様だ。
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作者名：空瀬 | 作成日時：2023年11月2日 23時
