なかなか帰ってこない ページ33
「……遅いな」
「本当にそうだよねそんなに庭園って広いのかな?」
どのくらい時間が経ったのか正確な時間は分からないが庭を見るだけで時間がかかりすぎな気がする。
「ケイト様や他のお影様は何をされているんでしょうか?」
「これも試されているのか? 俺たちも行くべきなのか?」
するとリッキーがまた煽る。
「バカめ!鍵がかかっているんだぞ。それに来いと言われていない。学習しろ、面汚し」
ついにショーンが言い返した。
「だったら来るなとも言われてないだろ!」
「来るなといわれているようなものだ!」
リッキーとショーンが言い合いになってしまったどんだけ仲が悪いんだろうこの二人……
「喧嘩しないでください」
エミリコが喧嘩をなだめようとしている。
それにこんなところで喧嘩をしている場合では無い。
そう思っていたらまたリッキーが茶々をいれる。
「だからお前はお花畑なんだよ。俺たちは敵同士だそ? だいたいなんだそのカップの持ち方は……」
リッキーはエミリコのカップの持ち方を注意していた。わざわざ教えてあげるあたりやっぱり根はいい奴なのかな。
それとも面倒みの良い奴なのかも。
「リッキー! 教えてくれてありがとうございます!」
エミリコはさっきまで不安そうにしていたのにケイト様に何か言われたのか前向きにもどっていた。
「フン! エミリコ。愛されてない人形が!」
そうリッキーが侮辱するが効いていないようだ。
「ケイト様が『いつも通りでいて』と言ってくれました。 私はそれを信じるだけです」
エミリコは部屋にあったお菓子を食べながらそういった。やっぱり彼女はケイト様に、きっと愛されている人形だと思う。
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作者名:空瀬 | 作成日時:2023年11月2日 23時