踊りましょう ページ31
エドワードがピアノを弾き始める。
またリッキーがこそこそと何かを言っている。さっきから顔が喋っているのになんにも言わないのだろうか。
するとパトリック様がぎこちなく話す。
「う、うむ。では踊ろうか。リッキー」
パトリック様がリッキーを踊りに誘っている。
そうすると他のお影様たちも踊ろうとし始めた。
「まあ 私ダンス大好き！」
「もちろん踊れるだろうレア？ さあカトレアたちも踊ろうか！」
僕はカトレア様に頷く。
ちらっとラムの方たちを見る。
すると、ラムがお影様に話しかけられるようになっていた。だがエミリコは相変わらず不安そうにしている。
僕は見回りの時にエミリコと仲良くなったのを思い出した。顔としては良くないかもしれない。
それでも僕はエミリコを助けたいそう思った僕は、ケイト様達とすれ違う時に頑張ってねと小声で声をかけた。
エミリコは気づいてくれた様子だ。
これはきっと余計なことじゃない。カトレアのように言うなら困っている人を助けただけだ。
そのままダンスを踊る。僕はカトレア様を目立たせるようにカトレア様をリードする。
するとケイト様たちも踊り始める。良かった。
優雅にピアノを弾いていたエドワードが急に演奏をやめ、ピアノに手を叩きつける。不協和音が部屋に響く。
そしてパトリック様の置物を一段下げた。
「おい！ 生き人形がシャドーに対して無礼な振る舞いだな エドワードのシャドーはどこにいる？」
「ああ、まったくだ。生き人形がカトレアたちを査定するなんて随分な態度をとれるね？」
ショーンのお影様とカトレアがそう言うとエドワードは怒ったように喋る。
「……私は特別な生き人形だ。わざわざお披露目前のシャドーに姿を見せるとでも？ だが君たちに敬意を払うべきだったな。お詫びに美しい庭園をご覧に入れよう」
リッキーもついて行こうとしていた。だが……
「なんのつもりだ？ 貴様。そこで菓子でも食ってろ」
エドワードに怒られてしまったようだ。
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作者名：空瀬 | 作成日時：2023年11月2日 23時
