愛されていない生き人形？ ページ30
そんなことを思っているとエドワードの方から音がした 見てみるとラムのお影様の置物が下に落とされていた。
するとエミリコがラムのほうに行ったようだ。
ここからだとあまり聞こえないがなにか助言をしている。
エミリコがケイト様から離れたためかエドワードにまた一段落とされていた。
「くくくっ。顔と体が分離しているな！」
パトリック様はまた罵倒をしている。するとショーンのお影様がなだめた。
ふとショーンの方を見る。顔になりきれている様子だ。
カトレア様が罵倒しているシャドーを見たためか気が立っているみたいだ。頭からすすがででいる。
「せっかくのパーティだ。楽しもうじゃないか」
「あぁそうだね。こんなに食事もある事だし」
カトレア様はどうやら落ち着いたようだ。ここで喧嘩をするのは不毛なことでしかない。
「美味しすぎるわっ！ 転げ回りたいほど美味しい！」
エミリコはケイト様に合わせてもらったみたい。
するとまた嘲笑うかのごとくパトリック様が言う。
「なぁ、ケイト。さっきからみていればその顔の振る舞いは酷いものだな。しかも名前はエミリコ」
「……だから何よ館のルールに反している訳じゃないわ」
ケイト様の意見は最もだった。でも……
「エミリコ？ 変な名前ねっ。普通は自分の名前と近いものにするでしょ？ あっちの喋らないのは知らないけどここにいる全員はそうよ。当たり前だわ！ ケイトは顔を気に入らなかったのね！」
それはなんだか違う気がした。そんなふうに思うのならパンをあげたりなんてしないはず。
僕にはケイト様のことはわからないけれどきっとそんな気がした。ルイーズ様の言葉をきいたエドワードがニヤリと笑い、ケイト様の置物を下に落とす。
エミリコが不安そうな顔でケイト様をみている。
エミリコはどうなってしまうのだろう……
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作者名：空瀬 | 作成日時：2023年11月2日 23時
