回転扉と謎の部屋 ページ22
「でもとっさに気づくなんてショーンは耳や鼻がいいんですね！」
犬みたいだなんて思ったりもしたけれどそんなことを口に出したらまたデコピンをされる気がしたからぐっとこらえておくことにした。
「それにしても、ラムはどこに行ったんだ？ さっきの廊下を抜けられるはずないからこっちにいるはずだが……もしかして自室の方に戻ったのかな」
突然キャーッという叫び声が聞こえてくる。おそらくラムの叫び声だろう。だが叫び声は壁の中から聞こえてきた。
「ラム！」
「壁の向こうから聞こえたぞ？！ 地図を見せてみろ。向こうに続く扉なんてないぞ！」
壁を壊す訳にもいかないしどうすればいいんだろう。するとエミリコが何か思いついたようにパッと笑った。
「道がわかりました！」
そう言ってエミリコは壁に向かって走った。
その考えは当たりだったようだ、どうやら回転扉になっていたみたい。
「エミリコ！中はどうなっている！」
「暗くて分かりません！ 勢い良く突っ込んで身体中痛いです！」
「ちょっとまっててね エミリコ！ 今僕がそこまで行くから！」
「ラム！」
エミリコがラムの名前を呼んでいたようやく見つかったようだ
僕もホッと胸を撫で下ろす。
「心配しました！ ……何かありましたか？ 」
ラムはなにかに怯えているように見える
怪我でもしたのかなとおもって聞こうとした。
そのとき……
「こっ……こ」
「わっ こびりつき！ 大丈夫です私やっつけたことあります！」
「エミリコ！ 僕も手伝うよ」
急にこびりつきがでてきた。エミリコがこびりつきと戦っているのをみて、僕も加勢する。
小さいものであれば僕だって潰すことぐらいはできる。プチッという音がしてやっとこびりつきを倒したと思ったら、なんと亡霊がでてきた。
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作者名：空瀬 | 作成日時：2023年11月2日 23時
