立派になるために (ページ18)

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初めてみた笑みページ18

エミリコは恐る恐る聞いていた
「あ……あの気になっていたんですが。少しお声が変」
ショーンがエミリコの頭をつかみ謝らせる。
これは失礼な事だ。シャドー家の方を侮辱するような発言はしてはいけない。

「馬鹿か！失礼なことを言うな」
「そうだよ！エミリコ！お影様の前でそんなことは言っちゃダメだよ」

僕らの圧を感じたのかエミリコが慌ててお影様に謝る。
「す、すみません」

「気にしなくていいよ」
お影様の寛大な心で許して貰えたようだ
良かったエミリコが処分されなくて少しホッとしていた。

でも、こんなこと考えている場合じゃない。
まずはラムを探さなくちゃいけない。

「ラムー。どこですかー？」
「ラムー！」
ラムを探すため声を出しているが気配が感じられなかった
ぐぅぅと音がした。
ショーンのお腹の音のようだ。食べてこなかったのかな。

食べ物もないしどうしようか。するとエミリコがポケットを探り始める。

「パン食べますか？」
プッとショーンが笑いだした。

「なんでポケットからパンが出てくるんだ？」
「ショーンが笑いました！」
「初めて笑ったところみたかも！」
「……何だよ」
「顔が陶器で出来ているのかと思っていたのに」
エミリコは独特な感性を持っているみたい。

「そうそう！全然ショーンって笑わないんだよ！もっと笑った方がいいのに！」
僕は素直な感想を言う。何事にも冷静な態度や表情をしていたからそんなふうに思ったのかもしれない。

「……表情は主人のためにあるもんだ」
「でも動かさないとほっぺ固まっちゃいますよ！」
「ショーンはもっと笑うべきだよ」
「！それもそうか」

初めてショーンが笑っているところをみた。やっぱり笑っているのを見るのは気分がいいような気もする。

エミリコがショーンの左側のほっぺたを引っ張っているから僕は反対側のほっぺを引っ張っていた。柔らかくてよく伸びる。だんだんと伸ばすのが楽しくなってきた。