睡眠不足と一休み ページ12
そこから二日、三日、四日と過ぎていったが特に収穫は得られなかった。
今日はショーンが何かを持ってきているようだ。
「ショーン なにか役立つものを持ってきたのですか？」
エミリコがにこやかにきいている。
「毛布だ」
毛布なんて何に使うんだろうと疑問だったが、それはエミリコも同じだったようだ。
「毛布！ 一体どんなことを……！」
僕は何をするんだろうとワクワクしていると
「寝る！」
「なぜ？！」
ほんとになんでだろうとなかなか納得出来ずにいた。
「部屋を出たあとは鍵を締められてしまうだろ？ だから時間までここで寝る。……バービーは俺たちと主人を仲違いさせたいだけだ。このところ俺は睡眠不足で支障がでている。エミリコとレアはどうだ？」
確かにショーンの言っていることはその通りだった。でも僕にはカトレア様から命じられた使命がある。……睡眠不足で支障がでているのも事実だけど。
「……今朝寝坊してケイト様に迷惑をかけました」
「……僕も迷惑かけちゃったかな」
紅茶をこぼしてしまったりと散々なことをしてしまった。
「で……でも理由もなく誰かのせいにされるのは違うと思うんです！」
それもまた一理あるなと思ったけれど、僕たちは余計なことは考えないというルールがある。こんなことをしていていいんだろうか。
舘のルールとカトレア様のいいつけはどちらが大事なんだろう。そんな余計なことを考えていたら僕はまた黙ってしまった。
「俺たちは顔だ。こんなやつれた顔で役目を果たせるわけが無い。俺は主人の指示だけを真剣に考える」
空気が重いように感じる。するとエミリコが何かを取りだす。
「まだ諦めないでください！ 私いいもの持ってきたんです！」
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作者名：空瀬 | 作成日時：2023年11月2日 23時
