立派になるために (ページ11)

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見回りと自己紹介ページ11

掃除が終わり、僕は部屋へと戻る。
「申し訳ありませんカトレア様！僕は顔として相応しくないことをしてしまったかも知れません」

僕は今日あったことをカトレア様に報告する。
顔として不必要なことをしてしまったのでは無いかと不安に襲われる。

「そんなことはないさ！レアは他の生き人形を助けたのさ！これは誇れることさ！不安がる必要はない。むしろ自信をもってくれていいよレア。見回りも気をつけて行ってきてくれたまえ！」

「はい！お褒めの言葉ありがとうございます！必ずや解決してきます」
「それでこそカトレアの顔さ」

カトレア様の寛大な心に感謝しながら僕は見回りに備えおやすみのキスをしたあと部屋へともどった。

もうすぐ見回りの時間だと思った僕は部屋を出る。四人揃うまでそこまで時間はかからなかった。
「こんばんは！私はエミリコです！はりきって頑張りましょー！」
エミリコと名乗った少女は明るい声でそういう。

「……」
あまりにも気まずい雰囲気に思わず黙り込んでしまう。
「……えっと三人のお名前は？」
「……俺はショーン」
「僕はレア。よろしく」
「……」
ショーンじゃない方の生き人形は黙ったままだった。

「えーっと。見回りを始めましょうか！あちこち探せばなにかあるはずです！」
「何か、か新人の俺たちだけで解決出来るのかな」
「時間はたっぷりあります。どうにかなりますよ！」
僕はエミリコに同調する。
「そうだよ！それに解決しなきゃいけないしね！」

ある程度辺りを散策しているとショーンがいなくなっていた。
「あれ？ショーンは？」
ショーンは牛の置物とエミリコを見間違えているようだ。

「そっか目が悪いんでしたね！」
「あれ？今度はショーンじゃない方の生き人形置いてきちゃった！」

エミリコはバタバタと大忙しだ
とは言っても僕にも手伝えることは無いしなと思い、僕はエミリコについて行くだけにした。

しかしどんなに見回りをしても収穫は得られなかった。

「ここも異常なしですね！ ……あれ？もしかしてさっき見回りしましたっけ？」

「……」

「この見回りは主人のためになることなのかな」
「……明日また頑張りましょう」
「……」
主人のためになるのかと聞かれて僕は何も答えられなかった。