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その少女、恋する乙女につき ページ7

「ちょっと大池さんっっ!!」



 教室に向かう途中の廊下で見知らぬ女の子に呼び止められる。


「えっえっ…!?わ、私!?はいっ!?!?」



 テンパってしまった私を見てその女の子はちょっとおかしそうに笑ったけれど、すぐに私の目の前にスマホを突き出した。

「ねえ、あの飯塚の彼女なの!?!?」

スマホ画面の画像は、昨日のものだった。

 頬を染めた私が差し出すアイスをかいんが笑いながら食べている。



 女の子の声に悪意はないものの、野次馬精神丸出しである。

「わ、私が!?!?っていうかこれ…っ」

私は女の子のスマホ画面を慌てて手で覆い隠す。



「ちょ、ちょっと来て!!」

 私はその女の子の手を掴んで人の少ない方へ連れていく。



「ど、どこで撮ったの!?」

「あたしの友達が昨日駅で撮ったの。それがLINEで回ってきて…」

「ら、らいんで!?!?!?」


 どうしよう、広まってしまう!



「ち、違うの!私とかいんはただの幼馴染で仲が良いだけで!彼女とか、絶対違うから!!!!」

「ほ、ホント…?」

 女の子の目は疑わし気に私を見つめる。



「本当!かいんは全然、そういうのの対象じゃないから!!」

「…そう、なんだ…。あたし、びっくりしちゃって…。ごめんなさい。これ、友達に削除するように言っとく」

「私は彼女じゃないって説明しといてね??」

「うん、まかせて!!あ、私、松下ナオっていうの。苗字で呼んで!」

「松下さん、ね」

「さんはいらない!松下って呼び捨てで!」

 彼女は大きな瞳で私にぱっちんとウインクすると私の両手を掴んでぶんぶんと上下に振った。

「私は大池Aっていうの。Aって呼んで」

「おっけーおっけー!!」


 松下ちゃんは気さくで人懐っこいらしく、私の手を握って教室まで送ってくれた。


「あ、ねえ松下ちゃん」

「なーに?」

 別れ際に私は松下ちゃんを引き留め、小さな声で訊いた。

「かいんのこと、好きなの?」

「……内緒だよ」


 彼女は答える代わりににっこり笑って人差し指を唇に当てた。

つまり肯定、イエスということだ。


 私はうん、とうなずいて彼女に手を振った。

脳内エクスペクテーション→←いつもと同じ朝、または斜陽のある会話



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Shuu nakamori(プロフ) - 面白かったです!今日見つけたばっかりなのにmacoさんの作品好きになりました!またそらるさんの小説読みたいです!出来ればR18で...! (2018年5月12日 21時) (レス) id: ff2902b544 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - コメントありがとうございます!長らく更新できなくてすみませんでした!! (2016年1月2日 16時) (レス) id: 8f4193691d (このIDを非表示/違反報告)
lolo(プロフ) - お願いします続きがものすごく読みたいです。もう、そらるさん本当に大好きです!! (2015年11月19日 19時) (レス) id: 6d20e51ccc (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 新作読ませてもらいました!そらるさん最高です!!!!(>ω<)白髪バーコードの小説から読ませていただきました!更新頑張ってください!楽しみにしてますね♪ (2015年10月3日 16時) (レス) id: 9de4b97fda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Maco | 作成日時:2015年10月2日 18時

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