【そらる】先輩と私。【歌い手】

カフェにてバイブレーション ページ18

「映画、すごく面白かったですね…」

「後半ずっと泣いてたでしょ」

「泣いてないよ！！あっ…泣いてません！！！」


　私はムキになってつい出てしまったタメ口を訂正した。


「いいよ別にタメ口で」

「い、いいんですか？」

「うん」


　先輩はくすっと笑うと、私の頭をまたふわふわと撫でる。


「な、なんで撫でるんですか…」

「可愛いから」


　先輩は不敵な笑みでそんなことを言って私の手を引いて歩き出した。


「せっかくだし、お茶でもしよう」

「はい…！」

「敬語になってるって」

「えっ、あ…う、うん…？」


　私が言いなおすと、満足そうに笑って頷いた。

案外子供みたいな顔で笑うな、なんて考えてしまった。







「私ソイラテで」

　入ったカフェで向かい合って座ると私はメニューをさらっと眺めて決めてしまった。

「すごいね、即決できるんだ…俺結構迷っちゃう」

「そうなんですか、なんかかわいげなくてすみません…」

「なんで謝るのｗ俺ココアにしよ」

「…可愛いですね」


　私はそう言って笑うと店員さんを呼んでソイラテとココアを注文した。



「さすがは学級委員長、カッコいい」

　先輩の謎の冷やかしに私が曖昧に笑ったとき、スマホが震えた。


「あっ…」

「いいよ、出て」


　私の顔を見て電話だと察したらしく、先輩は頷いた。

「すみません」



　私はケータイを持って席を離れた。

「もしもし？」

いたずらの報復の味→←大きな手の持ち主が彼氏ではない

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