出会い ページ1
「あの」
「はい」
「踏んでます」
「あっ」
これが私と彼の出会いでした。
*****
朝の電車。通学ラッシュの時間帯よりは少し早めの6時半。
私はお気に入りの音楽を聴きながら本を読んでいた。
今日は宮沢賢治の銀河鉄道の夜。
カムパネルラとジェバンニの銀河鉄道での旅に思いを馳せる。
カタン、と電車が揺れて駅に留まる。
そこで黒いふわりとした髪の男の子が乗って来た。
いつも彼はこの時間のこの車両のこのドアから乗ってくる。
そして、私と同じ制服を着ている。
彼は黒いイヤホンを耳に差し、ポケットに手を入れてぼんやりと眠そうにスマホをいじっている。
【戸塚 空琉】
廊下ですれ違った時、いつも同じ電車になる人なんだよ。
そう友達に言ったら、そんな変わった名前なんだよ、と教えてくれた。
とつか そらる
どういう意図でつけられた名前なのか、私は知らない。
彼は私が座っているところの前に立った。
何故。
席はいっぱい空いているし、ここ以外でも立てる場所はある。
というか立つなら普通ドアの前に立てばいい。
なのに何故わざわざここに立つのか。
そして_____
「あの」
「はい」
「踏んでます」
「あっ」
私の足の指先は彼の体重負荷に耐え切れず、とうとう私はそう声をかけた。
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Shuu nakamori(プロフ) - 面白かったです!今日見つけたばっかりなのにmacoさんの作品好きになりました!またそらるさんの小説読みたいです!出来ればR18で...! (2018年5月12日 21時) (レス) id: ff2902b544 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - コメントありがとうございます!長らく更新できなくてすみませんでした!! (2016年1月2日 16時) (レス) id: 8f4193691d (このIDを非表示/違反報告)
lolo(プロフ) - お願いします続きがものすごく読みたいです。もう、そらるさん本当に大好きです!! (2015年11月19日 19時) (レス) id: 6d20e51ccc (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 新作読ませてもらいました!そらるさん最高です!!!!(>ω<)白髪バーコードの小説から読ませていただきました!更新頑張ってください!楽しみにしてますね♪ (2015年10月3日 16時) (レス) id: 9de4b97fda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Maco | 作成日時:2015年10月2日 18時