高嶺の花は喋らない

２６話 ページ27

国見side


｢今日の現国の時間は最高だったな｣

｢あぁ！春音さんの声が聞けるとか、同じクラスのやつだけの特権だよな〜｣

今日も男達は春音さんの話で盛り上がっていた。確かに現国の時間春音さんは当てられ、教科書を読んでいた、今までそんなに気にしていなかったけど春音さんのことを気にしだしてから声を聞いただけなのに少し特別な感じがした。

｢国見昼いこーぜ｣

春音さんはどうだろう……誘ってみようか。でも断られたら結構へこむ……だが、意を決して春音さんに声をかけた

『春音さん……良かったら一緒にお昼食べない？』

｢！！｣

｢また国見だ！！｣

｢ズリぃーぞお前！！｣

｢お、春音ちゃーん俺達と食べない？｣

俺が先に誘ってんだよ。外野は黙ってろ。まぁ仮にも先輩なので口には出さない

『どう？無理にとは言わないけど……』

『……』

『(あ、なんか嬉しそう……)じゃあ食べよっか金田一悪いけど今日春音さんと食べるから先輩達に言っといて』

｢おい！国見｣

『行こっか春音さん』

｢おい！｣

金田一の声を無視して俺は春音さんと一緒に中庭へ
先輩たちのところに一緒に行くのもいいけど、初めてし怖がると思い、2人で食べることにした。


……

｢……｣

『……』

うん、気まずい……俺も口数多いほうじゃないから話題がない。そう思っていたらまさかの最初に沈黙を破ったのは春音さんだった

｢よかったの……？｣

『！！』

春音さんが喋った……！？

『良かったってもしかして先輩のやつ？』

｢……｣

『あーいいよ別に一特に意味もないのに集まってたし、それに春音さんと一緒に食べたかったから』

｢！！｣

春音さんはビックリした表情でこっちを見ている正直今のはちょっと恥ずかしかったかも

『春音さんのお弁当美味しそう。もしかして自分で作ってる？』

料理もできるとか、非の打ち所がないよな

『好きな食べ物とかある？』

男子中学生かよと思えるような質問。もっとマシな内容はなかったのか

｢ショート……ケーキ……｣

ショートケーキか……やっぱり女の子だ

｢国見……くんは……？｣

『え、俺？……塩キャラメル……』

うわっ塩キャラメルって……いや美味し大好物だけどさ
男っぽくないよね、てかさっき俺の前呼んだね。ちゃんと覚えてくれてたんだ

『ん？』

春音さんの手の中には塩キャラメルがあった

『もしかしてくれるの？』

春音さんは頷いた


『ありがとう』

２７話→←２５話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す