高嶺の花は喋らない

１０話 ページ11

『はい？』

｢だーかーらー！春音さん彼氏居るの？｣


矢巾さんが俺に尋ねる


『いないらしいです』

｢良かった〜彼氏持ちだと話しかけずらいからね。まぁ及川さんなら関係ないけど｣

｢ウゼェ｣

｢えー岩ちゃん僻みぃ〜？｣

｢……｣

｢無視はやめて！？｣

｢結局誰だったんだろうな？春音さんの隣にいた男って｣

｢どんなやつか知ってるか？国見｣


『確か、高身長でそこそこのイケメン？』

｢あ……｣

｢及川……｣

｢え？何｣

｢｢諦めろ｣｣

また2人揃って及川さんを憐れむような視線を向けつつ肩に手を置く


｢何！？その哀れむような目は！｣

｢高身長でイケメンお前が勝てるわけないだろ｣

｢いやいや！及川さん高身長だしイケメンだよ！？｣

｢及川……｣

｢自分でイケメンって言ってる時点で｣

｢｢お前はイケメンじゃない｣｣

｢何打ち合わせしてんの！？マッキーもまっつんハモリすぎなんだけど！｣

｢いやいや、俺達以外も思ってる｣

｢お前がイケメンじゃないこと｣

｢そ、そんなことな、ないもん！！｣


また漫才みたいな会話が始まった、あと、及川さん俺も思ってます及川さんがイケメンじゃなくて“残念な”人って


『あ……』


｢どうした？国見｣


『後言ってたんですけど……黒いジャージ着てたらしいですよ、全身真っ黒のジャージ』


｢黒いジャージか……見たことねぇーな｣

｢部活のジャージじゃね？｣

｢以外にバレー部だったりして｣


春音さんの話題で盛り上がっている最中、今度烏野高校と試合がありそこには“影山”が居るという事を聞いた。

俺は顔を歪ませ、なんとも言えない気持ちになる。
そんなに嫌悪感を感じていたらまさかの及川さんがボールを踏んで転んで捻挫をするという不注意が起きてしまい試合は途中参加になった。


そして俺達は知らなかった……この試合から“高嶺の花”と呼ばれる彼女と関わりを持つことを……

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