高嶺の花は喋らない

１話 ページ1

国見side

ここ青葉城西には人気の男女がいる、1人は俺の部活の先輩、及川徹。そしてもう1人は男子の注目の的、同じ学年の春音A
2人は真逆の性格をしている、及川さんはなんと言ってもチャラい、表情豊かでよく女子とも喋る、春音さんは全く逆で、表情は無表情、男子は疎か女子とすら喋らない何処か雰囲気がミステリアスだ。


｢うおぉぉぉぉぉ！｣


どうやら来たみたい


｢春音さーーん！！！｣


｢……｣


｢今日もすげぇーな｣


『あ、居たんだ』


｢同じクラスだろ！？｣


こいつは金田一勇太郎中学からの付き合いだ。ちなみにあだ名はらっきょう


｢お前絶対失礼なこと考えただろ｣


『何のこと？』


俺は上手いことはぐらかした、ちょろいな


｢それにしても毎回毎回凄いよな……春音さん｣


『本人は完全黙秘だけどね』


｢まぁあいつらが騒ぐ理由も分かるよ春音さん学年一の美少女だよなぁ〜｣


確かに俺から見ても春音さんは凄く可愛いらしいと思う。表情は全く変わらないがそこも何処か儚げで魅力的に感じる。俺も表情の事は人のこといえないけど


｢でもまぁ……｣

｢春音さん今日も可愛いよな〜｣

｢春音さん彼女だったらめっちゃ最高だよな｣

｢いや無理だろ、だって春音さんは“高嶺の花”なんだから｣


そう彼女は高嶺の花という存在で同じ学年だけじゃ留まらず3年生までもが俺らのクラスに会いに来る、まぁ及川さんで慣れてるから余り気にしないが



……



『(眠い……)』

今は授業中、しかも特に眠くなる現国の授業だ。俺は現国の授業になると絶対寝ている(それ以外の授業でもほとんど寝ている)でも現国の先生は寝ていても気づかないくらい鈍い、それに俺の席は窓際の一番後ろだ。背が高いというのはこういう時に自動的に後ろの席になる。ちなみに金田一は窓際の一番前の端、背が高すぎると完全に黒板から外れる前に行かされるから注意だ。ちなみに春音さんは俺の2つ前の席、隣に座っている男子はちょくちょく春音さんの方を見ている勿論周りの男子も


『疲れそ……』


そう誰にも聞こえないような小さな声で呟く。俺はそういう面倒臭いのはごめんだ、及川さんには同情しないが、春音さんには同情する。毎日むさくるしい男どもが寄ってくるなんて俺じゃ考えられない

『(あ、外見てる)』

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