３３７話 ページ20
「カメラにまでキノコが！｣
「キノコ……」
『(あそこまで多いと気持ち悪いな……)』
集合体恐怖症には耐えられない現場だ
「次から次へと生えてくる！！もーー！」
「皆さん！落ち着いて、まずはひとかたまりに！」
ひとかたまりになろうと百が指示を出すが、砂煙画巻き起こり辺りを覆う。何も見えない
「なんか出たぁぁぁぁぁ！！」
辺りが暗くなると、キノコが成長し始める。砂煙にキノコの繁殖、またもやB組の個性か
「黒色の危機を救ったのは小森と吹出、遠距離からの波状攻撃でA組を苦しめる！これがB組の実力かー」
「偏向実況やめろー！」
「「「やめろー！」」」
変わらずB組に肩入れするような偏った実況をするブラドキング先生
「範囲攻撃2人はキツすぎる。後、吹出のオノマトペ海外だとどうなるんだ？」
「知らん」
「デクくんあれ！！」
「うん。胞子の壁で八百万さんがチームから分断された。まさか！それを狙って」
分断された百、そこに攻め入るのは一佳。近距離戦闘に長けている一佳と百では分が悪い。瞬時に盾を生成するが盾ごと飛ばされてしまう
「っ……！」
「考える時間は与えない！」
「くっ……」
盾を3つ作成し防御する。が、その縦に向かって個性で大きくした拳を連打し打ち込む
「根比べならそれでもいいよ！体内の物質で物を創り出す八百万の方が先に根を上げるに決まってるからね！」
「くっ……！」
力で押し切ろうとする一佳と防御に徹する百。一佳の言う通り長期戦となると百の方が不利だ
「はぁぁぁぁ！！」
「あっという間に有利な状況を作り出しやがった！作戦トップ者！言ったろ？頭の回転早くて、咄嗟の判断も冷静だって、これがうちの拳藤さんよー！」
「それが最善手か分かんねぇーな」
「え？」
「八百万を警戒しての分断なら見誤ったかもな」
「え？」
『(百はここでやられるわけない)』
「八百万を警戒するなら4人の勢力で真っ先に潰すべきだった。この窮地はあいつにとっては想定内の状況」
百はとにかく先を見据える力に長けている。それこそ校長先生のハイスペックに似通ったものだ。クラス上位の成績者、百の凄さは咄嗟の判断や頭の回転の速さは勿論だが何よりも、予測の正確さだ
『(予測演算が強すぎるんだよね)』
個性ではなく、自身の能力だけでそれを実行できている。本当恐れ入るよ……
「想定していたからこそ、窮地からでも勝利への組み立てを行える。八百万百の得意分野だ」
「！」
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