消滅少女【第3章】 (ページ27)

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１０６話ページ27

『(でも……これを逃せば二度と……)』

無希に会えなくなる

「私だって……悔しいですわ」

八百万も顔を顰めていた。もう無理なのだと、俺たちに出来ることはないのだと思い知らされる

そして俺たちはバレないようその場を去る

俺はずっと無希を気にしながら去ることしか出来なかった

爆豪くんを救出され、それを防ごうと連合は動く、その混乱に乗じて私はその場を去る

もうここに居る理由もない

本も取りに行かないと

私はその場から去った

……

緑谷side

辺りが静まり返る……映像の様子は……

『！』

オールマイトが左腕を上げている様子だった

その瞬間周りは歓声をオールマイトに向ける

「「「オールマイト！！オールマイト！！」」」

でも僕は……

……

「身動き取れんな、轟くんや八百万くんと合流したいが」

「とりあえず動こうぜ、爆豪と玲音のことヒーロー達に報告しねぇといけねーだろ」

「そうだな！」

その場を動こうとしたその時、モニターのから聞こえる声

「次は」

『！……』

ゆっくりと振り返る

「次は……君だ」

『！』

「オールマイトやっぱすげーよ！」

オールマイトから短く発信させたメッセージ……それは一見、まだ見ぬ犯罪者への警鐘、平和の象徴の折れない姿……でも僕には真逆のメッセージとして聞こえた……私はもう出し切ってしまった

涙が止まらなかった

……

『……』

オールマイトがオール・フォー・ワンを倒した

あの場から離れ、私は全ての始まりの土地に来ていた

生中継でそこら中、オールマイトとオール・フォー・ワンの対決を中継していた

そしてオールマイトが倒したという情報は嫌でも耳に入ってくる

『終わったか……』

結局彼が倒した。私が何かする必要はなかった

本を抱え力を込める

『……』

行こう

始まりの場所へ

……

轟side

『……』

放心状態だった

ずっと

あの場から離れた後……

八百万の声なんて聞こえなかった

そんな俺の状態、気持ちを感じとったのかそれ以上何も言わなかった

それからして緑谷達と合流して、爆豪を警察へと届けた。これで全てが終わった

いや……助けられなかったんだ

一つ零してしまった

目の前に居たのに、声をかけることも、話すことも出来ずに……

俺は無希と……あんな最後で終わってしまった

それからどうやって帰ったのか分からない