８２話 ページ3
「皆さん、人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんわよ｣
「いや、いいよ……」
「うわー！！ありがとー！！」
穏やかな轟くんの顔
『良かった……』
もう彼は救われた……それだけで
……
「「いただきまーす！！」」
「店とかで出されたら微妙だけど、この状況も相まってうめぇー！！」
「ヤオモモがっつくねー！」
『……』
今日は比較的動いたが、それでも大して疲れていない、体力はある方だからだ
洸汰くんがどこかへ行こうとしている。そして着いていく緑谷くんを見た
『(彼なら……)』
洸汰くんを簡単に救っちゃうかもね……あの時と同じ、轟くんの時と同じように……
私は横目で見て、そしてまた視線を戻し、食べ始めた
その一方……
動きだす
「うーん……てか、これ嫌！可愛くないです！」
「裏のデザイナー、開発者が設計したんでしょー？見た目はともかく、理にはかなってる筈だよ」
「そんなこと聞いてないです！可愛くない話です！」
「はーい！おまたー」
集まる
「これで7人いや……8人か」
「どうでもいいから早くやらせろ！ワクワクが止まんねーよ」
「黙ってろ、イカレ野郎ども、まだだ……決行は10人全員揃ってからだ。威勢だけのチンピラを幾ら集めたところで、リスクが増えるだけだ。やるなら経験豊富な少数精鋭……まずは思い知らせろ、てめぇらの平穏は……俺たちの掌だということを」
今……最悪が待ち受けようとしている
……
翌日
また厳しい訓練……補習組は夜も勉強をしているので、やはり動きが鈍い
「気を抜くなよー！皆もダラダラやるな、何をするにも常に原点を意識しとけ。向上ってのはそういうもんだ。何の為に汗かいて、何の為にこうしてグチグチ言われるか常に頭に置いておけ」
「それより皆ー！今日の晩はね！クラス対抗！肝試しを決行するよー！しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある！さぁー！飴と鞭！」
『……(夜……か)』
今日……全てが……
力が入る……
「合宿前にも言った通り、
残念だけど……私がいる限り、全ては筒抜け
「ということで！今は全力で励むのだー！！」
「「イエッサー！！」」
……
「爆豪くん！包丁使うの上手っ！意外やわー」
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