消滅少女【第3章】 (ページ15)

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９４話ページ15

無希がまた戻ってきたあの日……そこからまた動き出していたんだろう

現在に起こった運命に向かって

保護された少女……

その少女は学校の敷地内で倒れていたらしい

身に覚えのない少女に一同は困惑していた

『校長先生どうしますか』

「そうだね……うーん」

校長先生も困った様子だった

「敵の可能性もあるぜぇぇ！！？」

マイクがそう言う。マイクの言うことは最もだ

「でもね……もし敵だとして、この少女を放っておく分けにもいかないしね」

『それはそうですが……』

「……っ」

「目覚ましたわよ！この子」

ミッドナイトが声をあげる、倒れていた少女が少し動いた

「……」

警戒態勢をとる

「……」

体を起こす少女

「……？」

周りをキョロキョロと見渡す

『(警戒していない)』

何も警戒しない彼女に全員警戒態勢をとるのをやめる

「……」

「えっと貴方は一体……」

「……？」

少女はなんなのか分からない様子だった

「君、名前は分かるかい？」

「名前……」

そう呟く少女

「無希……A」

名前を言う彼女、それが本名なのかは分からないが、嘘をついているようにも思えなかった

「無希……A」

「聞いたことありますか？」

聞こえない声で校長先生に耳打ちするミッドナイト

「いや……そんな敵の情報は入っていない」

誰も彼女の存在を知らなかった

『……？』

ふと目に止まったのは1冊の本、誰のものなのか、ただ落ちていただけなのか、俺はその本を拾い中を見る

『何も書いていない』

ただ真っ白のページが続くだけの本だった

『なんだこれは……』

「どうした？イレイザー」

本を見ていることに気づき、皆、その本に釘付けになる

「なんだろうねこの本は」

校長先生にも何か分からないらしい

「君……無希さんだったかな、この本は君のものかい？」

校長先生が少女、無希に尋ねる

「……」

本を手渡すように向ける校長先生の手から本を受け取る、そしてじーっとそれを見たあと中を開けた

「……」

ただ無言でその本を見ていた。するとずっと無言だった無希が口を開く

「……名前」

『？』

「君の名前は」

俺の名前を尋ねてきた

『まだ名乗っていなかったな、相澤消太だ』

俺は名前を名乗る

「相澤……消太」

俺の名前を呟く無希

「……」

するとおもむろに本のページをめくり始め、1枚のページで手が止まる

「……」