消滅少女【第3章】 (ページ14)

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９３話ページ14

「轟ちゃんの話の通りなら、無希先輩は普通の女の子だと思うのよ。卒業して雄英に入った。そこまでは分かるけれど、どうして私たちのクラスに、それも事情を秘密にする必要があったのかしら」

俺も、いや無希が俺達のクラスに来た時から気になっていて、誰も触れなかったこと

『あいつは卒業したかどうかも分からねぇ』

「え？」

『俺は中二の時に既に多分……無希が記憶を消したからな』

そう中二の夏……それが無希との最後だ

「無希先輩が記憶を消した理由って？」

『………………さぁな』

無希が俺の記憶を消したわけ……それは俺が1番分かってる

「あいつが雄英に来たのは、普通の、お前らと変わらなかった」

相澤先生が語り出す

「1年生、無希が1年生の時の担任が俺だ」

「相澤先生が！？」

「個性把握テストあっただろ、そこで無希以外を見込みなしで除籍処分した」

「！！！？」

「今考えると、あの並外れた戦闘力、覚悟……その時には敵(ヴィラン)だったのかもしれない……雄英のスパイとして送られてきた」

「そんな……」

「でも、相澤先生気づいなかったんですよね？その時」

「あぁ」

「隠す必要あったんですか？」

「……あいつは1度行方不明になってる」

「「！！？」」

「行方不明……？どうして」

「俺も轟と同じだ」

『！……まさか先生も……』

「イレイザーヘッドだけじゃないわ、私も、校長先生もプレゼント・マイクもみんな、あの子の記憶を消されてた」

『！』

「だからだ、行方不明になっていても何事もなく、時が進んだのも、報道されないのも」

「え、じゃあどうして無希先輩今は雄英に……」

話が複雑になってきた。無希は俺が中二の頃、俺から記憶を消し、そして雄英に入学した後、また先生達の記憶を消し、行方を眩ませた

『(何が……)』

無希の目的は分からない……でも分かるのは

あいつは俺を“守ろう”としたこと

それだけだった

相澤side

『あいつが戻ってきたのはちょうどおまえらが入学してくる3日前くらいだ』

「そんな突然！？」

「敷地内に倒れていたんだよ、どうやって侵入したかも分からないけどね」

「特に目立った外傷もなくて、私たちは敵(ヴィラン)とも疑ったけどとりあえず介抱したの、勿論その時私たちは無希さんに見覚えはなかった」

「無希が居なくなったのは半年前らしい、イレイザーが言うにはな」

無希とまた再会……いや俺たちは忘れていた