消滅少女【第3章】 (ページ13)

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９２話ページ13

俺昨日無希といた。お前らなんか知らない。そう言おうとしても、俺はいつも自ら好んで一人で居るため、立証してくれる奴なんかいなかった

「うーん……」

拉致があかないと言った顔だ。俺には強く言えない、けれどこいつも俺がしたと思っている内心では

『(っ……どいつもこいつもクソだ)』

拳に力が入る。全て全て、俺じゃない、エンデヴァー、クソ親父が原因だ

限界にきていた……本当にこいつらを個性で凍らしてやろうと思った……そんな時

「……違うよ」

「『！！』」

声が聞こえた。つい最近聞いた声、扉の方を見ると無希が居た

『無希……』

「彼……“轟くん”は昨日私とはいた。だから違う」

無希はそう言った。内容よりも俺が注目したのは

『(名前……)』

覚えてた。そして呼ばれた……

名前を呼ばれどこかふわふわした不思議な気持ちになった

「無希さんが一緒に……？」

「……」

コクリと頷く無希、先生は考えていた

「彼らなら……」

無希は言葉を発する

「彼の上着の内ポケット」

無希はそう言った。なんの事か分からなかった。けれど男達は動揺していた

「？……見してみなさい」

先生も不思議には思ったが言われた通り見ようとする

「な……っ！何もねーよ！」

そう言いながらも焦る男、すると床に落ちた音がする。床に落ちたものは

「昨日、……で煙草吸ってた」

無希はそれだけ言うと出ていった。床には落ちた煙草

「話は聞かせてもらうぞ」

「な……っ」

『無希』

「おい！轟！」

先生の呼びかけにも応えず、出ていった無希を追った

『無希！』

呼びかければ足を止め、俺の方を見た無希、廊下は誰もいない

『ありがとう』

「……」

感謝……ありがとうなんて何時ぶりに言っただろうか、伝えたかったのはそれだけだ

『……』

昨日約束……いや俺の一方的な……でも覚えているだろうか、でも聞くにも声が出ない

「……また」

『！』

「放課後……」

それだけ言うと無希は行ってしまった

ここからだ

無希が俺の名前を呼ぶようになったのも

一緒に帰るようになったのも

忘れていた大切な始まりの思い出の一つ

「そういうことか……」

1度話が終わる

「無希さんと同じ学校やったんやね」

『あぁ』

「でもそれだけ聞くと普通の、少し変わった女の子くらいだぜ？」

『俺もそう思ってた』

「相澤先生に聞きたいことがあるの」

「なんだ」