消滅少女【第2章】 (ページ4)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:34,364 hit

４３話ページ4

「全員のヒーロー名が決まったところで話を職場体験に戻す、期間は1週間……肝心の職場だが、指名のあったものは個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ、使命のなかったものは予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件、この中から選んでもらう。それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる」

「例えば13号なら、対敵ヴィランより、事故、災害の人命救助中心とかね」

「よく考えて選べよ」

「「はい！」」

リストが渡された

『？』

無希は……？

無希には渡されない

「あ、あの先生、無希さんのは……」

八百万が質問する

「こいつのは……」

「……」

「別だ。こいつのは別に用意してある」

「そういうことでしたの、分かりました」

「無希さんのは別なんだねー」

「先輩だもんなー」

みんながそう捉えている中、俺は違っていた

『(別……？)』

別だとしても、今紙を渡せない理由があるのか？疑ってしまうのは体育祭で倒れたあの時から、色々と無希について不確かであったが、それがさらに増した

相澤先生は何かを隠している

相澤先生だけなのか、他の先生も……

そこまでは分からない、けれども

『(無希には何か……)』

ある気がする……それは感なのか、何か確証があってそう言っているのか

確証がないはずなのにそう思う

『(疑いたくない……)』

緑谷にも言った、無希は良い奴だって

でも……

『(無希は一体……)』

それだけは拭いきれないものだった

……

先生に呼び出されて休憩室に向かう

『相澤先生』

呼び出したのは相澤先生

教室に入る、ここは教師が使う部屋で、ほとんど人は来ない

「まぁ、座れ」

ソファに座る

「勘づいてはいるだろうが、職場体験についてだ」

『……はい』

「お前の職場体験先はここだ」

『……え』

「お前も分かってはいるだろうが、保護対象だ」

『……』

保護じゃなくて監視……でしょ？

言葉を選んで言ってくれたんだと思う。相澤先生なりの優しさ

「俺としても職場体験には行ってもらいたいが話し合った結果、ここで雄英で受けてもらうことになった」

『……』

「悪いな」

『なんで』

「……？」

『私は監視対象のはず……ヒーローだって目指してここにいるわけないじゃない、それなのにここまでしてくれる……』

不思議なのだ。どうしてここまでしてくれるのか