６７話 ページ28
凄いな……雄英、やっぱり沢山の人に見られて、覚えられてるんだ
「で、確か保須事件の時にヒーロー殺しに遭遇したんだっけ、すげーよな」
『よく、ご存知で……』
「いや、ほんとに信じられないぜ、こんな所でまた会うとは……」
『！』
肩を組まされ、近くで声がしていた。そして今の言葉……どこかで聞き覚えがあった
「ここまでくると何かあるんじゃないかって思うよね……」
『っ……』
ちらっと相手の顔を見ようとする
「運命……因縁めいたものが……」
首にそっと手を置かれ、中指だけを離した状態で首を持たれる
『っ……』
「まぁ、でも……お前にとっては雄英襲撃以来になるか……」
『……』
顔を青ざめ、相手を見る
「お茶でもしようか、緑谷出久」
『(死柄木……弔……っ)』
僕に危機が襲いかかってきた
けれどもそれは僕だけだと思っていた
それがまさか
僕以外にも危機が迫っていたなんて
そして
その事を後に後悔することになるなんて
思っていなかった
……
『(お茶子何処に行ったんだろ……)』
お茶子の後を追ったが見失ってしまった
『(1度出久の所に戻るか……)』
そう思った時だった
『っ！』
嫌な悪寒……それはUSJ事件の時と同じ
「お久しぶりですね」
『！……ワープゲートの』
USJ事件以来……ワープゲートの
「少し来てもらいますよ」
『っ……』
このままだと他の一般の人まで巻き込んでしまう……私は為す術もなく、ワープゲートに吸い込まれていった
……
『……っ』
吸い込まれ、少し明かりが見えればそこはバーのような所
『ここは……』
「私たちのアジトです」
『！……』
ワープゲートの彼が応える
『……』
「少し来てもらいますよ。あなたも、この状況で逃げれる……なんて思うほど馬鹿ではありませんよね」
そう、この状況……今ここは
『(素直に従うしかない)』
殺すつもりなら最初からこんな所に連れてこない。ということは彼らは私を殺そうとしている訳じゃない、何か目的があって私を連れてきた
「やぁ」
『！』
声……近くに人は居ない……辺を見回せばあるのはテレビ……そこから声がするのか
「無希Aさんだね」
『……』
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