６３話 ページ24
「みんな……っ合宿の土産話……っ楽しみに……っしてるから」
泣きそうな顔をして芦戸さんは言う
「まだ分かんないよ、どんでん返しがあるかもしれないよ！」
「よせ、緑谷、それ口にしたら無くなるパターンだ」
『(みんな行けるんだけどね……)』
気になったのでレポートを提出する時に聞いてみた
『林間合宿、赤点の人出れないんですか？』
「ん？……あー……いやあれは合理的虚偽だ」
『そうなんですか』
「アイツらにはパワーアップしてもらわんと困るからな」
『良かった』
「もちろんお前もこのレポートが生半可な出来なら、合宿中の夜に補習だからな」
『……はい』
ということがあった
『(私もあのレポートがちゃんと書けてるか……)』
夜の補習は嫌
「分かんねーのは俺もさ、峰田のお陰でクリアしたが寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は……」
そう瀬呂くんが言った直後に扉が開く音がする
「予鈴が鳴った席に着け」
席に座る私を含めるクラスメイト
「おはよう、今回の期末テストだが……残念ながら赤点が出た。従って林間合宿は……全員行きます」
「「どんでん返しだぁ！！」」
「行っていいんスか俺ら！」
「ほんとに！？」
「あぁ……赤点者だが、筆記の方はゼロ、実技で切島、上鳴、芦戸、砂糖、後瀬呂が赤点だ」
『(良かった)』
大丈夫だったみたいだ
「え”っ……やっぱり……」
「今回の試験我々敵ヴィラン側は生徒に勝ち筋を残しつつ、どう課題と向き合うかを見るよう動いた。出なければ課題うんぬんの前に、詰むやつばかりだっただろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは」
「追い込むためさ……そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点取ったやつこそ、ここで力をつけてもらわなきゃならん……合理的虚偽ってやつさ」
「「合理的虚偽ー！！！？」」
「しかし2度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと！！」
「確かにな……省みるよ。だが全部嘘ってわけじゃない、赤点は赤点だ。お前らには別途に補習時間を設けてる、ぶっちゃけ学校に残っての補習よりきついからな」
『(頑張れ)』
私は着いていくってだけ……正直に言えば、もしかしたら何かするかもしれないけど
「これ配れ」
「なんですか……これ？」
「無希に渡していた課題、お前らの演習試験を見てのレポートだ。全員分ある」
「おぉー！！」
「これ見て反省点を確認しろ」
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