５０話 ページ11
「いや……こういう時にしか無希さんに質問する機会とかないし……色々と聞きたいことがあって」
『何……？』
「えっと……個性のことについてなんですけど……ってダメですよね、ずっと隠してきたわけだし、それに今後の練習とかで不利に……『いいよ』そうですよね……ダメですよね……って……え！？」
『いいよ、別に』
「え！いいんですか！？」
『うん』
「てっきり隠してるものかと……」
『別にそういうわけじゃない……聞かれなかったから言わないだけだし……個性もあんまり使う機会ないから』
「そういうことか……」
「え、じゃあ聞いてもいいですか？」
『うん、話せる範囲なら話すよ』
「俺も聞きてぇ」
「えっと先輩の個性は……」
『忘却、対象の相手の記憶を消せる』
「やっぱり相手の記憶を消す個性なんですね」
緑谷くんはノートにメモを取る。どこから持ってきたんだろ……そのノート
『消す時に必要なのは相手の名前を知ってることと触れること』
「あの時常闇に触れた瞬間か」
轟くんがそう言う。正解、あの時少し常闇くんに掠ったそれでも個性は発動させた状態ならば消せる
「あの、青い光が出て、本みたいのがでてきてしましたけどあれは……」
緑谷くんが尋ねる
『あの本には消した内容が書かれる。他の人から見ても何も見えないけど、私には見える』
「もし、本を落としたとしても他には絶対に分からないということですね……凄い！
『本は個性自体を解除しても有り続ける、自身の意志でしまわない限り』
「個性のキャパとかってありますか？」
『別にない』
轟side
『(本……)』
あの時見た個性……本……
『なぁ、無希』
「？」
『お前のその個性、その本……複合個性か？』
「え……？」
緑谷、飯田はポカーンと口を開けている
「確かに……本を出すっていうのは変わってるな……」
飯田がそう言う
「確かに複合個性の線は強いかもしれない……無希さんの両親はなんの個性……」
緑谷が尋ねる
「お母さんもお父さんもいないから知らない」
「「『！！！』」」
「す……すみません」
「別にいいよ……覚えてないから」
「え……」
「覚えてない」
「そんな小さい頃から……」
飯田はそう言った……でも無希が覚えていないと言った瞬間、飯田の捉えた意味と別の意味を感じ取った
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