44話 ページ5
「それで母親を置いて父親は出ていって、姉さんも願ってた子じゃないからかあの子を置いて男の人の所に遊び呆けて、最終的にあの子を捨ててしまったの」
話された真実は予想よりも重たく、そして辛いものだった
「それであの子は1度施設に預けられて、おやからも愛情を貰えず、感情が無くなっていた。そんなあの子のことを気味悪がって、施設の子供も近寄らないし」
どんな気持ちだったのだろうか、いや気持ちすら分からなかったんだ。愛情を受けずに育った。だからあんなに……
「それで私が引き取ったの。引き取ってからは私に対しては割と感情とか表に出すんだけどね。それでもやっぱり薄いままで……誰とも仲良くなろうともしてくれないし……だから国見くんが居てくれて良かったよ」
『え』
「君が最初に話しかけてくれたんでしょ?あの子に」
『なんで……知って』
「Aあんまり学校のこと言わないけど、入学式初日の日、言ってきたのよ。話しかけてきた変なやつがいたって」
『変なやつ……』
変なやつかよ……渚さんは笑っている
「これからもAのことよろしくね」
『!……はい』
「返事がよろしい!」
渚さんは瀬良とは真逆の性格、明るく、陽気で……でも少し似ているのは笑い方、明るく、陽気なのに渚さんは控えめに笑う。その仕草とか瀬良に似てるなって思った
『(ほんとに姉みたいだ)』
実際は違っても、俺には本物、いやそれ以上の姉、姉妹のように思えた
それから学校のこと、部活のこと、瀬良のことや俺の事、勿論渚さんのことも色々と話し込んだ
「何話してんの」
用が済んだ瀬良が下りてきた
「Aの学校での様子はどんなのかなーって」
『そう言えば、この前の現代文の時間、うたた寝してて当てられて、数学の答え言ってたよね』
「ちょっ……!何それ、マジかA」
爆笑する渚さん
「ちょっと……っ!あれは違う……!国見が数学の答え言ってきたんじゃん!」
『聞いてなかった瀬良が悪い』
俺と瀬良の言い合い。それを微笑ましい顔で眺める渚さん
瀬良のことを知れて良かった
『瀬良』
「ん?」
『これからもよろしく』
改めて言う
目を丸くしている瀬良
「うん、よろしく」
瀬良は穏やかに笑った
……
国見が帰ったあとリビングでまったりする
「A」
『何?』
「いい子だね国見くん」
『……うん、そうだね』
ほんと、いい人に出会えたって思うよ
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無気力boy(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉感謝しかないです(´ー`) (2020年6月28日 22時) (レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 不思議涙余韻に浸ってました。とても感動しました (2020年6月27日 22時) (レス) id: 34d527f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mそう言っていただけるとすごく嬉しく励みになります……!最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年4月1日 13時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - 凄くいいお話でした。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 269ec57400 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - カメックスさん» コメントありがとうございます。表情につきましては潰される直前なのですが、こればかりは僕の文才力の無さですね……ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後の参考になります。最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年1月13日 5時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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