５８話 ページ19
「月島の時とか」
「お前もだけどな」
「俺別に、意地っ張りでも、鈍くもないし」
「はいはい」
「(見つかったみたいだな捜し物)」
彼は何となく気づいていたのかもしれない、彼女が何かを探していることに、そしてその捜し物は既に彼女が手にしていたことに
……
合宿が幕を閉じ、私は急いで帰宅する
「おかえり」
そんなばあちゃんの声も無視して、こっちに来る時に持ってきた自分の荷物をまとめる
「あらあらどうしたの」
ばあちゃんもただならぬ私の様子を見て、何事かと心配している
『ごめんばあちゃん、今から帰る』
「あれまぁ……帰るのは明日の朝くらいだったはずじゃ……」
そう、その予定だった
でも……
私は帰らなきゃいけない
『ごめん……』
「……いいのよ」
『！』
「何があったのかは分からないけど、Aちゃんがこんなにも焦っているのだもの。すごく大事なことなのね」
『……うん』
ごめん、ばあちゃん。ごめん
「心配しなくていいから、またここにおいで」
『うん……また来るよ、ばあちゃん』
ばあちゃんと別れ、駅へと向かう。ばあちゃんは何か察していたのかもしれない
大事なことだって分かってた
いつも私のことを考えてくれるばあちゃん
『ばあちゃんごめん』
何度目かのごめん……
このごめんは何に対してのごめんなのか……
駅に着き、新幹線に乗る。姉さんに連絡し、迎えに来てもらうよう頼む
もちろん姉さんはいきなりの帰宅に驚く、それでも姉さんは来てくれるらしい
新幹線に乗っている間も、長く感じた
『急がないと』
早く……早く……
あの日の夏まであと……
……
宮城に着けば、私はまた走る。そして改札を潜り、姉さんが乗っている車を探す
『あった』
そして私は姉さんの車の所まで走っていく
「あんた、こっち帰るのは明日だったんじゃ……」
姉さんの言葉を遮るようにして荷物だけを車に乗せた
「ちょっと……！あんたどうしたの！？」
車に荷物だけを乗せた私に驚く姉さん
『ごめん……でも行かなきないけないから』
私はそれだけ言うと車のドアを閉め、走り出した
「ちょっと！A！！」
後ろでは私を呼ぶ姉さんの声が聞こえる
そんな姉さんの声を無視して無我夢中で走っていく
『ごめん……姉さん』
“ごめん”
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無気力boy(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉感謝しかないです(´ｰ｀) (2020年6月28日 22時) (
レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 不思議涙余韻に浸ってました。とても感動しました (2020年6月27日 22時) (レス) id: 34d527f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mそう言っていただけるとすごく嬉しく励みになります……！最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年4月1日 13時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - 凄くいいお話でした。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 269ec57400 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - カメックスさん» コメントありがとうございます。表情につきましては潰される直前なのですが、こればかりは僕の文才力の無さですね……ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後の参考になります。最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年1月13日 5時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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