１９７話 ページ40
『なんも考えてないフリして……！背負い込んで、負い目感じてんのはてめぇじゃねーか！俺より酷い面しやがって！何で……っ！』
「……」
『言わなかった！』
「……勝己も一緒だよ」
『！……』
その通りだった。同じ境遇に晒されたのに、自分がこんなふうになっている、こいつもこんなふうに負い目感じたり、責任感じたりしてるかもしれないと思うはずだった
なのにそう思わなかったのは
『(俺は勝手に強いやつだって決めつけていたからだ)』
Aは強い。個性も心も、だから気にしてないなんて勝手に思い込んでいた。あいつも同じ、俺が強いって思っていたから
「ずっと」
『……！』
「ずっと、纒わりついてた。黒くて、暗い何かが……」
『……』
「他人からの視線なんてないはずなのに、感じる、あの日からずっと……」
こいつは俺なんかよりずっと
「「オールマイトを終わらせた」って……っ！言葉が染み付いて離れないんだ……っ！聞こえないはずの声が聞こえる。お前が、お前のせいだって……っ！」
背負い込んでた
「オールマイトのようにならなきゃ、終わらせてしまったあの人の代わりをしなくちゃいけない、兄さんのようなヒーローになりたいのが目標だったはずなのに……っ！いつの間にか……無くなっていた」
黙って話を聞く、Aの口から零れていく叫びを
「苦しくて、暗くて、そんな何かが私を覆って……気づいたら光がなくなってた。勝己の話を聞いて、勝己も悩んでいたのにそれに気づけなかった自分が居て、また濃く、暗く沈んでいく」
『……』
「夢に出てくるんだ……暗い何かに追いかけられて、引きずり込まれる夢、そして言うんだ最後に「オールマイトを終わらせたのはお前だ！！」って……寝るのが怖い、人が怖い、何も無いはずなのに全てが怖い」
気づいてやれなかった報いなのかもな
「どうしてこうなっちゃったのかな……っ」
こいつの笑顔が見たい。守りたい。口先だけでなんにも見ていなかった
『A……』
顔を隠した腕の隙間から涙が見える。ずっと耐えていた。そんなこいつの苦しみに気づいてやれなかった
俺はAの腕を退かした
「！……」
『気づいてやれなくてごめん』
「……」
『お前は考えてないように見えて、人一倍考えてて、今もこうやって責任を強く感じてやがる』
「だって……私が……っ」
『私がじゃなくて俺達なんだよ』
終わらせちまったのは俺達なんだよ
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無気力boy(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます。シスコンですね。そのまま続けて書いてたので気づかなかったです。ご指摘ありがとうございます (2020年2月27日 18時) (
レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 163のところお兄さんからすると妹なのでシスコンなのでは…と思いました。面白くて楽しませてもらってます！頑張ってください！ (2020年2月26日 15時) (レス) id: 110b716f36 (このIDを非表示/違反報告)
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