11、私のこと ページ12
東条side
目を覚ますと、透ちゃんが心配そうに私を覗き込んでいて。
多「…大丈夫?」
「あれ…私…」
多「夏目くんがね、連れて帰ってきてくれたの」
後でお礼言わなきゃな、とぼんやりと考える。
多「今日はもう遅いし、寝ましょう。Aちゃん」
透ちゃんはそう言って微笑んだ。
何も聞いてこない透ちゃんの優しさに救われる。
翌日は、もともとの約束通り皆で集まって勉強をして。
ただ、私はなっちゃんと話せないまま、1日を過ごした。
もしかしたら何か、巻き込んでしまったのだろうか。
夏「…あっ、忘れ物だ。先に駅に行っててくれるか?」
帰りの荷物を纏め、駅へと向かう道中、なっちゃんはそう言って踵を返した。
話すなら__今しかない。
「ごめん透ちゃん!私も忘れ物したみたい…取ってくるね」
多「うん!分かった、気をつけてね?」
ありがとう、と返事をし踵を返す。
ただ、追いかけた先になっちゃんはいない。
「夏目くん…?」
かさり、と木が揺れた場所を目指して歩く。
パラパラと紙のめくれる音がした。
「なつ…」
なっちゃんを見つめる。
妖の前に佇む彼は紙を咥え、妖へと文字が吸い込まれていく。
彼にはまだ、妖が見えているのだ___。
確信を私は持った。
だが、私のことを知ったら、どうなるのだろう。
私は、紅色に染まっているのだから___。
* * * * * * * * * * * * *
続きます。
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あむ(プロフ) - えりなさん» 返信遅くなり申し訳ありません。こちらのパスワードを忘れてしまい、作品を探すことも出来ず、放置状態になってしまっていました。よろしければ現在の私のページにて、続きを書いていこうと思っております。よければ覗いてくださいませ。 (2022年1月26日 11時) (レス) id: 9f39c0cf15 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - はじめめして!作品面白いです。続きは…続きは無いのでしょうか…! (2021年10月29日 23時) (レス) @page19 id: 38998f9109 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 作品を見てくださっている皆さまへ。翔奈として活動しておりました、いまはあむと申します。アカウントを誤って消してしまい、投稿できない状態が続いておりました。長らくお待たせして申し訳ないです。これからはあむの投稿フォームで修正、加筆の上で投稿いたします。 (2021年4月30日 23時) (レス) id: 9f39c0cf15 (このIDを非表示/違反報告)
遙の琴(プロフ) - 凄く面白いです!!今も夏目好きがいて感無量です!夏目友人帳は作るのが難しいと思っていたけれどめっちゃ面白いです!名取さんが出てきて嬉しいです!これからも更新頑張って下さい!(私は田沼推しの的場さんファンです的場さんも出てきて欲しいです(小声) (2020年5月4日 14時) (レス) id: fc35fdf941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔奈 | 作成日時:2020年4月23日 19時