31 兄の後輩 ページ31
「大神先輩〜！遅いですよ〜！」
「あの、それより朔間先輩見ませんでした？」
部室に入ると同じ人が2人…ではなく双子の姿が。
「あ〜！大神先輩が女の人連れてきてる〜！」
「え、彼女ですか？」
この2人が軽音部の人なら名前は多分葵ひなたさんと葵ゆうたさん。この2人が零兄が話していた双子だろう。
「そんなに見んじゃねーよ、ビビってんだろ。てか彼女じゃねーよ」
うるさかった心臓の音がまた増した。
彼女。彼女か。
「え、彼女じゃないんですか！？」
「もしかして君、このコワーイ先輩に誘拐されたの？」
ぐいぐいと近づいてくる2人。思わず後退りをしてしまう。
「ちげーよ、コイツから俺に用があるって来たんだよ。んで…どうした？」
『今日の…朝のことで…』
キョトンとしてる大神先輩。
1年生の2人はなにやらコソコソしている。「どうしたのかしらね？奥様」などの声が聞こえるような聞こえないような。
『私…兄のことを周りに隠してるんです。それで…今日、バレないために零兄の中学の後輩とか変なこと言ってしまって…。』
「あーあれか。初めはびっくりしたけど別に気にしてねーし。お前も気にすんな」
あぁ、良かった。安心して方の力が抜けた気がした。どうやら察してくれていたようだ。
それと同時だろうか。大きな物音が聞こえた。
「「え…？その子、朔間先輩の妹さん…？？」」
シンクロする声。物音の正体は双子のどちらかが落としたカバンの音だった。2人は口をあけ、こちらを見ている。
「ん？あーそうだよ」
『朔間Aです。いつも兄がお世話になっております。えっと…葵ひなたさんとゆうたさん…？』
恐る恐る名前を確認してみる。
「そうだよー！俺は兄のひなたです！よろしくね！Aちゃん！」
「弟のゆうたです、ヘッドホンの色で見極めてくださいね？」
ひなたさんがピンクでゆうたさんが水色。これは分かりやすい。
「つーかA、お前それだけのために来たのか？」
『…はい』
「なんてゆーか…すげーな、お前」
よく分からないが先輩に褒められたらしい。嬉しくなり顔が熱くなる。
『で、では私はこれで…！あ、あの兄なら保健室だと思いますよ』
そう言って軽音部の部室を出た。ここからなら帰り道を知ってるし1人で帰れる。迷子になることは無いだろう。
「おや？こんな所で何をしているんだい？」
…え？
後ろから聞き覚えのある声。振り向かなくてもわかる。
最悪だ。
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
