【歌い手】推しに仕事依頼もらうなんて聞いてないんだが。【まふまふ】

依頼７ ページ8

「…はい、ではこれくらいかな。」


まふまふ様は私に伝えなければいけないことを


伝え終わったようだった。


「ところで、ちょっと聞きたいんですけど、」


彼は何か伝え忘れていたのかそれとも


別のことなのか、わからないけども私に質問していた


「はい、なんでしょう？何か伝達ミスでも⁉」


「あーいえ！依頼に関係ないんです、けど、なんで僕のこと“様”付けなんですか？」


あ、ほんとに関係なかったんだ


え、なんでか…なんでだろう


尊敬の意みたいな？そんなこと言ったら引かれるよな


「あ！仕事を依頼してくれた大切なお客様ですから！」


これなら依頼者思いにも思われるし引かれることもないでしょ！←


「あー…そう、ですか」


彼はなんだか暗い顔をしているように見えた


なんで？


「その大切な客からのお願いなんですけど、様付けはやめませんか？」


申し訳なさそうに、私の顔色を窺うようにそう提案する彼


様付けやめるの？


いや別にね？構わないよ？でも


仮にやめたとして何て呼べばいいのかね


「大切なお客様からのお願いなら全然かまわないんですけど、なんて呼べばいいのかなーって」


「そ、そうですよね…ってえ⁉いいんですか？じゃあ普段僕のこと何て呼んでます？」


まず僕のこと呼んでくれてますかね、と


彼は笑いながら付け加えた


普段は、リスナーとしては、まふくん、だけど


一気に距離近付きすぎなのでは⁉


「一リスナーとしては、まふくんって呼ばせてもらってるんですけど」


「じゃあ！その呼び方で」


「でも！これは、リスナーとして、ではなくて、依頼をされた者としての関わりだから、」


彼の発言にかなり食い気味で言葉を被せる


「そう、ですよね、すみません、浮かれてしまって、」


ん？何か勘違いしてる？


「あ、いや、そうじゃなくて、そのプライベートとの区別を付けたいだけであって、
だから、その、まふさん、は、だめ、でしょうか」


途切れ途切れになってしまった


こんなところでコミュ障発揮してどうすんだぁぁぁ！


「…………」


彼は俯いて黙っていて、どんな表情をしているのかがわからない


やめて、黙らないで！


心が持たないよ⁉


「じゃ、じゃあそれでお、お願いします…」


なんか、反応が微妙だ


「やっぱいやですよね⁉」


「そ、そんな！あ、ぼ、僕用事思い出しました！あ、お金はこれで！」


……え？

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