【歌い手】推しに仕事依頼もらうなんて聞いてないんだが。【まふまふ】

依頼22 ページ24

いま、僕の想い人、Aは


カフェで待っているだろうか


いまの時刻は7時12分。


待ち合わせの時間より12分も遅れている


だから、ひきこもりの底力をいま発揮させて、


全力疾走しているところだ


先ほど、といっても1時間も前の話だが、


僕はそらるさんのお誕生日祝いのために動画を投稿した


案の定、リスナーさんやそらるさんからの賞賛や感謝のコメントが


沢山送られてきた


そらるさんが珍しく僕にありがとうなんて


言ってくるから話が弾んでしまった


気がついたら7時過ぎで現状に至る、というわけだ


limeにはなんの通知も来ていない


僕に焦らなくてもいいようにと


気を使ってくれているのかな、優しいなぁ


で、彼女を呼び出したのにはちゃんとした理由がある


まあ、遅れてしまってるんですけど。


それは、告白だ。


前々から動画を投稿したら彼女に告白して失恋しようと


そう考えていた


彼女は言っていた


私は迷惑だなんて思ってないからいつでも相談してね、と。


いまはその言葉に甘えようじゃないか


彼女に迷惑じゃないのなら


でも告白って、特別好きでもない奴にされたら


だれでも迷惑するよね


でも今更何にもなかったって言って


彼女を家に帰すわけにもいかない


恨むなら昨日の僕を恨むんだ


一時の感情で、


Aに相談してねって、


頼ってもいいんだって


そう安心してしまったあの時の僕を恨むんだ。


ああ、着いてしまった


僕は、彼女を探しながら、カフェに入った

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