241.気持ちの踏ん切り ページ9
『いきなり、何……?』
斎｢分かっているのだろう、僕の言っている言葉の意味は｣
『……分かんないよ』
斎宮の考えてる事が分からない。なんで急にそんな事を言い出したのかすら。
斎宮に向けていた視線を再び下へと戻した。
だからますます斎宮が何を思って言葉を言ってるのかわからなくなる。
斎｢……何故そんな俯いてばかり居るのだね｣
『別に意味なんてないし…』
斎｢はぁ……本当に強情だね。いいだろう、僕が当ててやろう。
君が俯いて前を見たくないのは、あの2人を見るのが辛いからだろう｣
『…ｯ別にそんな事ないし、』
斎｢前が向けないのは、零と小娘が笑いあってじゃれてるのを見て嫉妬したんだろう。大事な大事な兄を取られたようで。
隠せてると思うのが間違ってるのだよ｣
『〜ｯだからそんなんじゃ、ｯ!!』
私は下げていた頭をまた、斎宮の方へと向け、そうして驚いた。
だって、斎宮は真っ直ぐに私を見てたから。
それも、真剣な目の中に少しの優しさを滲ませて。
斎｢いい加減認めたらどうだね。別に人が人を思う事は間違いでもないだろう。……去年までそれこそ本当の兄弟以上に引っ付いてたのだから｣
最後の方はそっぽを向いていたけれど。
でも、斎宮の言葉はちゃんと私に伝わって。
何だか、モヤモヤがストンと落ちた気がした。
『………ありがと、斎宮。何だか自分の心に踏ん切りがついたわ。
ていうか、実は斎宮って私の事好きなんじゃない?去年そんなに絡んでないのに、私のことよく見てるじゃん(。-∀-)ﾆﾔ』
斎｢んなっ!?そ、そんな事ある訳ないだろう!?!?///｣
『あは、慌ててるねぇ、怪しいねぇ〜………て、ごめんごめん、冗談だから、その振り上げた腕下ろそうか(汗)』
ぎゃいぎゃいと言い合いながらも、斎宮といると自然体でいれてとても過ごしやすくて。
だから自然と私も笑顔になれる。
未だに照れて怒っている斎宮をからかう私。
その向こうでは相変わらずじゃれあっている2人がいて。
………斎宮はあぁ言ってくれたけど、きっと零さんはあんずちゃんの事が好きなんだから、邪魔だけはしないようにしないと。
斎｢零も零で何を考えているのだか……(小声)｣
ポツリと呟いた斎宮の言葉は私には聞こえなくて。
そして、そんな私達を少し離れた所から見ている彼には気づかなかったのだ。
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日和 - 最後まで読みました！もうすっごい素敵でした！番外編も読みたいです！待ってます！ (2020年2月4日 9時) (
レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 日和さん» ありがとです！物語ももうクライマックス、最後までお楽しみ下さい♪ (2020年1月29日 18時) (レス) id: c69e9f8b84 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - すごく面白いです！続きがとても楽しみです！ (2020年1月29日 14時) (レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとです!時間はかかりますが、ちゃんと更新しますのでもう少しお待ちください…♪ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 5fc703e917 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2019年11月5日 0時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松並ゆの | 作成日時：2019年3月8日 23時
